知の市場

第14回講義概要「生協の現在と未来」

○ 開催日時
2022年7月27日(水)15:00~16:30
○ 開催会場
大東文化大学 板橋キャンパス
講師とテーマ

平野 路子(日本生活協同組合連合会 政策企画室 室長)
「生協の現在と未来」

概要

 第14回講義の講師は、日本生活協同組合連合会(日本生協連)の平野さんです。コロナ禍での生協の事業・活動、生協の2030年ビジョンと社会的課題に対する生協の取り組み、事業の形でくらしの願いを実現するという生協の特徴などについて講義をしていただきました。

受講生の受けとめ

Q 生活協同組合(団体)のどのようなところに興味や関心を持ちましたか、または持てませんでしたか?

Aさん
全体の授業を通して、組合員、地域の人、生協職員のつながりがあり、一方的な支援ではなくお互いが支え合って行われる活動であること。

Bさん
コロナ禍での生協の取り組みは自分自身にも大きく関わってくることだと思うので、興味が持てました。貧困などコロナのせいで苦しんでいる人たちを助けるような取り組みが増えて欲しいです。

Cさん
生協が、生活困窮者や困窮する大学生だけでなく、医療従事者と自宅療養者にも支援を行っていることに関心を持ちました。コロナウイルス第7波が猛威を振るう中で、このような支援が行われることは、ありがたいことと思います。

Q この講義のポイントは、どこにあったと思いますか?

Dさん
日本の未来のために5つのビジョンを掲げている点にあったと思います。食を中心として、安心して消費したり健康を保ったりする取組みや、協同組合や行政と協力しあって地域社会をつくる取組みなど、私たちが生きていく中で支えとなる取組みを行うことを目指していることを知りました。容器包装に使用するプラスチックを再生又は植物由来の原料に変えたり、食品ロスを減らすために啓発活動やフードバンク・フードドライブなどを行ったりなど、環境の改善にも貢献する取組みを行っているということで、環境・人を大切にした事業内容であるなと感じました。

Eさん
サプライチェーンには多くの人が関与しており、一つの場所がぬけると販売ができなくなってしまったり、周りにも影響を与えていました。コロナ禍である現在は計画通りに進ませることがより困難であり、対応策を考えることがポイントであると思いました。商品が売れないことは良くないが、売れすぎてしまうことも良くないという考えは今までにない視点だと思いました。売れすぎによる人員不足が課題となったり、別の問題につながってしまうので、バランスが重要であると思いました。

Fさん
ここまで学んできた、様々な生協の取り組みがどのように未来につながっていくのかを知るところにポイントがあったと思います。今の時代はSDGsなどの環境の問題に加えて、コロナとも関わっていかなくてはいけない時だと思います。生協は組合員全員に平等にサービスが行き届くように意識された組織なので、ただサービスを受けるだけではなく、一人の組合員としてしっかりと協力する姿勢でいることが大切だと分かりました。

Q この講義や生活協同組合(団体)に対する意見・感想を書いてください。

Gさん
以前は生協に対して、生活物資の配達や大学でのお店の運営というイメージを持っていましたが、講義を通して、生協が思いやりやつながりを大切にしていること、多くのサービスを提供していることを学びました。生協という団体1つを取っても多くの学びがあったので、機会があれば、ほかの団体についても学びたいと思いました。働く上で、仕事の内容や働き方が大事だと考えていましたが、自分がやりたいことや何を実現したいのかについて考え、その考えを実現できるようなところで働くことも、働くことの大きな意味の1つであると感じました。この講義を受講して良かったと思います。

Hさん
「ビジョン」についてのお話がとても印象に残りました。生協では「2030年ビジョン」といい、より大きなつながりを目指したビジョンを掲げていましたが、自分は将来の生活に向けてどのようなビジョンを持っていればいいだろうかと悩みました。時代の変化を予測しながら、自分の理想とする姿に向けて必要な心がけを考え、自分の将来へのビジョンとしていきたいです。

Iさん
生活協同組合があくまで経済的な活動であることが印象に残りました。重要なのは、あくまで経済活動の中で社会福祉的な活動をすることができるという点だと思います。人助けをしつつも経済を回し、誰もがより良く暮らせるような社会にするというのが、今後の社会に新しく生まれる企業や組織に必要になってくる理念だと思います。どれだけ利益を求めても、社会全体が貧しくならないようにする、社会的企業という考えが生協に求められてくる存在なのだと思いました。