第13回講義概要「「協同」の役割を考える」
- ○ 開催日時
- 2022年7月20日(水)15:00~16:30
- ○ 開催会場
- 大東文化大学 板橋キャンパス
講師とテーマ
松尾 賢(日本協同組合連携機構 協同組合連携2部 連携推進マネージャー)
「「協同」の役割を考える」
概要
第13回講義の講師は、日本協同組合連携機構の松尾さんです。協同組合の概要と現在の日本の社会問題、協同組合間の多様な連携事例などについて講義をしていただきました。
受講生の受けとめ
Q 生活協同組合(団体)のどのようなところに興味や関心を持ちましたか、または持てませんでしたか?
Aさん
「人を(中心に置く)組織」として、組合員が参加・利用・運営することはもちろん、一人ひとりのニーズや願いを大切にしていることに関心を持ちました。多くの組合員がいますが、個人を大切にしていることが分かりました。誰にも支配されず、誰も支配しないことも大切だと思いました。
Bさん
日本協同組合連携機構(JCA)は、様々な組織が集まっていることに興味を持ちました。JA全中・JA共済・CO-OPなど多くの組織があり、大規模なものなのだと感じました。森林組合にも興味があり、森林所有者でつくられているのが意外でした。
Cさん
森林組合や協同組織金融機関というものを知らなかったので、このような協同組合に興味を持ちました。また、虹の仲間づくりカレッジという活動にも興味を持ちました。自らが企画したプログラムを実施するのは、非常におもしろいと感じました。
Q この講義のポイントは、どこにあったと思いますか?
Dさん
協同は新しい価値を生むことが分かりました。中でも地域の価値を創造することは、地域の発展に役立つと思いました。地域の価値を生み出すことで、地域の住民活動への貢献意欲が高まり、自分が地域の一員であるという意識を持つことができます。それによって、近くに困っている人がいたら助けようと考える人が増え、さらに地域のつながりの強さを感じることができると思います。また、それぞれの協同組合が自分たちの中だけで様々な問題を解決しようとせず、得意分野をもつ他の協同組合と手を組むことは効率が良いと思いました。
Eさん
協同組合の理念が地域でのたすけあいを促し、よりよくしていくというのが講義のポイントであると思いました。また、協同組合が存在する理由として、協同組合のアイデンティティも重要な点だと思いました。倫理的価値を信条とし、共通の社会的・経済的・文化的ニーズと願いをかなえることを目的としている部分が大事であり、「人を(中心に置く)組織」を柱とすることで、地域だけでなく世界にまで共感の輪を広げることができるというのが、協同組合の理念の本質であり目標なのだと講義を聴いて思いました。
Fさん
「協同」が大きな役割を担っているところにポイントがあったと思います。協同組合という言葉を聞いて労働者協同組合しか思い浮かびませんでしたが、森林組合や中小企業の協同組合など様々なものがあることを学びました。どの協同組合もそれぞれの理念を掲げていますが、根本的には国民が安心して暮らすことができる地域・社会づくりを目指している印象を受けました。また、よりよい生活をするために、地域や社会が抱えている問題を少しでも解決できるようにするために協同組合が大きな役割を担っていると感じました。
Q この講義や生活協同組合(団体)に対する意見・感想を書いてください。
Gさん
「〇〇協同組合」という名前は聞いたことがあるが、それがどのような役割を担っているのか知らなかった。そのため、本日の講義は非常に興味深く勉強になった。特に印象的だったのは、現代の社会問題に対する協同組合の取組みだ。見えづらい課題を明確化し、解決に向けて取組んでいく姿勢は非常に素晴らしいと思った。そして、それらの取組みが諸問題の深刻化を避け、地域社会の存続にも繋がっていくのだと考えた。
Hさん
異なった協同組合が協力するというのが、多くのターゲットに対してサービスをすることができるという点において良かった。また、これまで協同組合のアイデンティティというものを分かっていなかったが、ICA声明というものが存在することが分かったので、調べてみたいと思った。日本では多くの家庭が協同組合に加入しており、労働金庫や信用金庫が協同組織金融機関であるということが知れた。協同組合を運営するにあたって協同組合原則というものがあることを知り、それが協同組合の定義にもつながっているということで、将来自分が協同組合に加入する際にそういうものがあると安心できると感じた。
Iさん
今回の講義では、協同の役割を考えることについて学びました。さまざまな分野に協同組合があることで、人々のニーズや問題に対して柔軟に対応できると考えました。協同組合の理念は地域での助け合いを掲げており、協同組合・行政・諸団体が連携して地域の課題に取り組むことや、生産者の所得増大、地域と消費者とのつながりを深めることなど、人と人との関係だけを深めるのではなく、人と地域・人と環境・人と文化といった社会的要因と関係を作ることで、人々の生活がより一層充実したものになるのではないかと講義を受けて思いました。