知の市場

第6回講義概要「食の安全・安心を考える」

○ 開催日時
2022年6月1日(水)15:00~16:30
○ 開催会場
大東文化大学 板橋キャンパス
講師とテーマ

早川 敏幸(日本生活協同組合連合会 品質保証本部 安全政策推進室長)
「食の安全・安心を考える」

概要

 第6回講義の講師は、日本生活協同組合連合会(日本生協連)の早川さんです。食品の安全と安心、食料安全保障の観点から必要な技術、リスクアナリシス、食品の安全について日常生活で気をつけたいことなどについて講義をしていただきました。

受講生の受けとめ

Q 生活協同組合(団体)のどのようなところに興味や関心を持ちましたか、または持てませんでしたか?

Aさん
20年以上前にも食品衛生法を改正するために生協で取り組み、国会での請願採択に関わったこと。食品添加物を不安に感じている組合員に対して、添加物を減らした商品を開発したり、正しい情報を提供していくこと。食習慣改善の手助けもしているということ。

Bさん
人間にとって食は欠かせないものなので、その食と関わりをもち、安全・安心な食を提供する取組みを行っているところに関心を持ちました。インターン先を決めるときに食と関わる仕事も選ぼうと考えていたので、今日の講義を聞くことができてよかったです。

Cさん
安全よりも危険の方が拡がりやすい、というお話に対して、生協は安全というイメージが大きいので、それを維持していることがすごい努力によってだと知ることができました。

Q この講義のポイントは、どこにあったと思いますか?

Dさん
安全とはどちらかと言うと科学や統計で説明できるものであり、安心とはどちらかと言うと一人一人の心の問題であり、個人差が大きいものである。これらはどちらも重要であるので、安全と安心は両立させていかなければならない。食料の安定供給と安全性を両立させるためには、事前にデータをとってリスクを評価したり、事前にルールを決めておいたりすることが重要になってくる。日常生活で気をつけるべきことは、食事バランスである。

Eさん
食の安全と安心の関係である。「安全でない」のに「安心してください」は論外であり、食の安全確保が重要である。事実として安全であっても「安全です」という情報だけでは安心しにくいため、「安全です」と言っている人やその団体との信頼が大事な点であるといえる。また、フードセキュリティのための必要な技術と食品の安全の両立には、事前にデータをとってリスクを評価することやリスクを管理することが、解決法として重要なポイントであるといえる。食品の安全確保において、リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーションの3つの要素が最も重要な点だといえる。

Fさん
食料の安定供給と安全安心の両立をするための取り組みについて考えることが重要であると思いました。食料を安定的に生産するために農薬の使用や食品添加物の利用が効果的ですが、安全安心で消費するのは困難であり、両者の取り組みを両立させるためにリスクコミュニケーションという方法が効果的であると思いました。農薬や添加物の量や使用方法をあらかじめ管理し、評価することで食品を安心安全に消費することが可能になると感じました。

Q この講義や生活協同組合(団体)に対する意見・感想を書いてください。

Gさん
私は今回の講義を受けて、「安心と安全」の関係について考えました。私は今回の講義を受ける前は、安全も安心もそこまで意味は変わらないだろうと思いましたが、「安全」とはどちらかと言うと科学や統計で説明できるものであるのに対して、「安心・不安」とはどちらかと言うと(一人一人の)心の問題で社会情勢の影響を受けやすく、個人差が大きいものであるという意味で全く別ものであることが分かりました。「安全」で「安心」なものが一番であることが分かりました。また「安全」と「危険」が混ざって売られている商品は、どちらかと言うと「危険」というワードにフォーカスが行ってしまいます。また「安全」とだけ書かれていても、それは少し心配になってしまいます。このように、現代社会は情報が行き交う世の中なので、いかにその情報が分かりやすく信頼できるものか調べていくべきであるということが分かりました。

Hさん
私も普段の生活の中で、食の安全に関して不安を感じていました。特に、授業の中で取り扱われていた食品添加物や農薬について不安を感じてはいたものの、農薬を使う目的であったり、どの程度摂取しても安全であるのかを理解していませんでした。ですが、今日の講義を終えて、農薬や添加物は食料の安定供給と安全性を考えた、食料安全保障のための必要な技術であるということを理解することができました。

Iさん
本日の講義を受けて、自分自身食に興味があり、将来も食に関わる仕事をしたいと思っているので、知らないことが多くすごくためになりました。普段、自分達が何気なく手にしている食べ物1つ1つに、生産者の人たちや企業は実験や研究を繰り返しながら、消費者が不安を感じることなく美味しい食べ物を食べられるようにと考えながら取り組んでいることに気づくことができました。特に一番印象に残ったのが、生協が食品衛生法の改正運動に取り組んだことです。「署名へのご協力をお願いします」というパンフレットを作り、生協の人達が改正運動に何年も取り組み、1,373万筆の署名が集まったことに驚いたと同時に、それだけの努力があり実を結びすごいなと感じました。