知の市場

第14回講義概要「生協の現在と未来」

○ 開催日時
2021年7月20日(火)15:00~16:30
○ 開催会場
大東文化大学 板橋キャンパス(高島平)
講師とテーマ

二村 睦子(日本生活協同組合連合会 常務理事)
「生協の現在と未来」

概要

 第14回講義の講師は、日本生活協同組合連合会(日本生協連)の二村さんです。コロナ禍での生協の事業・活動とコロナ禍だからこそ再確認できたこと、生協の2030年ビジョンと今後10年の社会的課題、協同組合という社会のしくみの本質などについて、講義をしていただきました。

受講生の受けとめ

 学生たちが今回の講義後に提出したレポートの一部を、抜粋して紹介します。

Q 生活協同組合(団体)のどのようなところに興味や関心を持ちましたか?
または持てませんでしたか?

Aさん
宅配だけでなく、店舗販売や介護、工場、事務など様々な仕事に従事されている方々のお陰で生協が運営されていることを学べてよかったです。大学生協や医療生協などの経営の危機に全国の生協で協力しながら対応したという点に関心を持ちました。

Bさん
以前、災害の講義の回にも説明があった通り、生協は協力の精神が強くて良いなと思いました。メーカーさんにお願いして生産を増やしたり、組合員の方にも個数制限をお願いしたり、それぞれが皆のことを考えていて素晴らしいなと思いました。

Q この講義のポイントは、どこにあったと思いますか?

Cさん
コロナによって事業継続の危機(大学や病院など)、つながりの危機、(組合員さんの)くらしの危機、経営の危機などにみまわれた。オンラインのおうち企画など、時代に合った企画を行なっている点が素晴らしいと思いました。2020年のビジョンも2030年のビジョンも“人とのつながり”を大事にしている点が、ポイントだと思いました。外部(社会など)とのつながりを重視した開かれた生協を目指している点がすごくよいと思いました。協同組合の本質は“力をあわせて自分たちの願いを実現する”ということだと学べてよかったです。

Dさん
生協の事業の目的は「ふだんのくらしを支えること」だということだと思います。コロナで生協の宅配事業の利用者が急激に増加し、物量の拡大による欠品やお届け遅延が発生したということを知りました。そのような中でも生協職員の方は助け合ったり、全体で少しずつ欠品をして配達するなど工夫をすることで事業目的を果たそうと動いてくれていたということに、生協の温かさを感じました。

Q この講義や生活協同組合(団体)に対する意見・感想を書いてください。

Eさん
これからの目標を掲げて、それに対する詳しい取り組み方法が書かれていてわかりやすかったです。特に、デジタルトランスフォーメーションやSDGs等、現代社会に合わせた取りくみが良いなと思いました。対して、地域社会とのつながりや人と人との協力の姿勢等、変わらない・変えられないものについても大切にしていて素敵だと思いました。客と店員という立場ではあるかもしれませんが、大前提として全員組合員であり、どちらの立場の人間も皆が必要とされている生協の構造・理念がすごいです。今、就活中なのですが、生協さんの行っている事業や目指しているものを通して、説明を聞きに行ったり、エントリーもしてみようかなと感じました。半年間、ありがとうございました。

Fさん
生協社会論の授業を通して、生協が「つながり」を大切にして地域貢献、自分たちの願いを実現している団体であると感じた。時代のニーズや流れに応じて指針や活動、作り出す製品を変えながらも、組合員一人一人が平等で力を合わせて願いを実現するという基本理念が変わらないことがすばらしいと感じた。社会が抱える問題と、それに対するアプローチがしっかり学べたため、今後の人生を歩む上で向き合う問題や、地域を支えていく上で必要なことを学ぶことができたと思う。