第6回講義概要「食の安全・安心を考える」
- ○ 開催日時
- 2021年5月25日(火)15:00~16:30
- ○ 開催会場
- 大東文化大学 板橋キャンパス(高島平)
講師とテーマ
早川 敏幸(日本生活協同組合連合会 安全政策推進室 室長)
「食の安全・安心を考える」
概要
第6回講義の講師は、日本生活協同組合連合会(日本生協連)の早川さんです。食品の安全と安心、食料安全保障の観点から必要な技術、リスクアナリシス、食品安全の専門家の健康へのリスクに対する認識、新型コロナウイルス感染症と食品の安全、生協の取り組みなどについて講義をしていただきました。
受講生の受けとめ
学生たちが今回の講義後に提出したレポートの一部を、抜粋して紹介します。
Q 生活協同組合(団体)のどのようなところに興味や関心を持ちましたか?
または持てませんでしたか?
Aさん
1980年代以降という早い段階から、組合員・消費者とともに食品添加物問題などに取り組んできたというところに興味を持ちました。消費者に食の安全性を伝えるためにたくさん考えてくれているということが分かりました。
Bさん
食品の安全についての活動をしていると知り、驚きました。事前にデータをとってリスク評価をし、使うためのルールを決めてリスク管理もしている点に興味を持ちました。
Q この講義のポイントは、どこにあったと思いますか?
Cさん
リスク分析を正しく行うことによって、食品が安全に保たれているという情報を消費者に伝え、安全な食品を提供できるということだと思います。私自身、この講義を受ける前は農薬に嫌なイメージがあったり、「食品添加物を使用しない方が安全」という誤解を持っていました。しかし、健康のために意識しなければいけないポイントはそこではなく、喫煙、飲酒、過食や偏食などであるということが分かりました。
Dさん
食料安全保障では食料が十分に手に入るかどうかが重要であり、食品の生産や保存といった技術、持続可能性、食品ロスの削減活動などの食料の供給観点を大切にしている。また、食品の安全確保における概念では、3つの要素(リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーション)を考え、リスクアナリススの機能に努めていることを知りました。そして、1人1人の健康を考えるうえで、喫煙、過食や偏食等に気をつけるなど食のバランスについて見直す必要があると感じました。
Q この講義や生活協同組合(団体)に対する意見・感想を書いてください。
Eさん
農薬を使わないことによる減収・減益実験の結果は、とても興味深く感じました。私は食の安全性と農薬使用を天秤にかけたときに、日本での農薬による健康被害があまり身近でないことに加えて、日本の農業事情を考えると農薬の使用は仕方ないのではないかと思いました。専門家と消費者の「健康への影響に気をつけるべきと考えるもの」の回答や、オランダでの調査結果との回答の違いに驚きました。また、私は昨年度の学校の授業で野菜摂取とサプリメントの効果について勉強をしたので、サプリメントについての話もとても関心を持てました。最後のスライドの問いについては、「消費者自身が選べばよい。いろいろな選択肢を用意すべきだ」というコメントが私の意見に近いと思いました。
Fさん
私たち1人1人が健康を考える上で気をつけなければならない項目は、やはり喫煙や飲酒であることを改めて認識できました。食品添加物や農薬、遺伝子組換え食品等は一定のルールがあることを知ることができたので、100%安全だということは無いにしても、講義を受ける前よりかは安心できました。私は消費者であるので、食品を作っている会社の方針を変えたり、農薬を使用している農民の方々に「使うな」と言ったりすることはできません。しかし、自分で情報を集めて選ぶ権利はあります。周りの反応や表示に惑わされず、様々な商品を比較することを意識して生活できたらいいなと思いました。私は最後のスライドは「消費者自身が選べばよい…」という人の意見です。また、「情報を伝えることが先だ」という意見には、自身が調べることと合わせて賛成です。