第12回講義概要「防災・減災の重要性」
- ○ 開催日時
- 2019年7月3日(水)15:00~16:30
- ○ 開催会場
- 大東文化大学 板橋キャンパス(高島平)
講師とテーマ
武田賢治(日本生活協同組合連合会 通販事業管理部 部長)
「防災・減災の重要性」
概要
第12回講義の講師は、日本生活協同組合連合会(日本生協連)の武田さんです。首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの際の被害予想、防災・減災・BCP(事業継続計画)の必要性、生協の取り組み事例(被災地への支援活動、大規模災害全国生協連携計画)などについて説明いただきました。自然災害を自分事としてとらえられるように工夫された講義でした。
受講生の受けとめ
学生たちが今回の講義後に提出したレポートの一部を、抜粋して紹介します。
Q 生活協同組合(団体)について興味や関心を持ちましたか?
Aさん
「誰一人取り残さない社会をつくる」の理念通り防災減災のため、企業ができないような地域コミュニティ作りや見返りを求めない姿勢に感心しました。
Bさん
生活協同組合が、地震などの被害を受けた被災地に対して食料や水などの支援物資を行政と協力して届けたり、ボランティア活動の輪を広げたり、多くの被災者のための活動を行っていることにとても興味・関心を持ちました。
Cさん
「被災者の目となり耳となり口となって」支援を行う、この賀川豊彦の考えのもと、生協は防災活動に取り組み始めたとわかった。生協が力を入れている地域コミュニティづくりの延長で、みなが互いに助け合う仕組みづくりができるのは、生協ならではの仕事なのかなと思った。
Q この講義のポイントは、どこにあったと思いますか?
Dさん
今回の講義のポイントは、いつ大きな地震が起きるか分からない日本において、常に地震に備えた準備をしていく必要があるという点だと考えます。日本での首都直下地震は周期的に発生しており、今後30年の間に起こる確率は70%もあり、いつ地震が起きてもおかしくない状況であると感じました。もし、今地震が起きたらまず何をすればいいのか、その後どこに避難すればいいのか、日々何を持ち歩いて生活すべきなのか、ということを常に考え、「もしも」に備えていく必要があると感じました。
Eさん
大災害の時に行政・企業・組織・個人ができることは限られているが、そんな時のために生協は、共助の仕組みづくりへの貢献や地域コミュニティ作りへの参加を行い、社会的な運動の展開の役割を発揮するような存在であるべきという点が今回の講義のポイントであると思った。中でも、大規模災害が起きた時、被災者の救援を行い、被災者の生活やコミュニティの再建支援などが生協の果たすべき役割であるという点が重要であると思った。
Fさん
本日はまさしく先生も言っていたように“自分事に考える”という事が最大の大切なポイントだと思います。講義というより、災害全てを考える時、一番のポイントだと考えます。地震の起こり方や生協のような防災の仕方を、私たちは昔から教えられています。特に日本はやはり多いです。しかし、それらを体験するのはやはりその時にならないと分かりません。1人でも経験するのが減るように私も日頃から考え、自分事として考えなければならないと強く思いました。
Q この講義や生活協同組合(団体)に対する意見・感想はありますか?
Gさん
1番に大事なのは、自然災害を自分事にしてみることだと思います。阪神・淡路大震災はまだ自分が生まれる前のできごとですが、東日本大震災は記憶に近いできごとです。首都圏では、いつ地震が起きてもおかしくない状況と聞いて驚きました。自助・共助・公助で各々乗り切っていくしかないため、準備しておくことが必要だと思いました。全国生協BCPの基本方針にとても関心が持てました。全国の生協の力を合わせ、支え合い、支援活動をすることがどれほど多くの人を救えるか、この生協支援はとても大きなものだと思いました。
Hさん
大規模災害全国生協連携計画という、全国の生協が災害対応の課題を共通認識する為につくられたものがしっかりしていると思った。生協が被災地で行うことの中で、行政に協力して避難所に支援物資をお届けするというのと、お見舞い活動を行なっているのを知ってとてもすごいと思った。緊急支援物資の事前準備が自分的に最も必要だと思っているので、この蓄え具合はすごいと思った。ボランティアなどの活動がとても簡単なものではないというのは、自分もしたことがあるのでよくわかる。このような防災・減災活動をしている生協はすばらしいと思った。
Iさん
直下型地震が起こった際の映像はとても怖いなと感じました。今考えてみると、こういった災害の場合にそなえた準備を何もしていません。何を優先させたら良いのか、どうやって逃げればいいのか、家族で話し合う必要を改めて感じました。全国生協BCPは緊急支援物資を事前に準備し、どう管理をして、どう出荷して、どこに協力をあおぐのか、全てきちんと計画されていてとても心強いと思いました。また、災害後、使えなくなったお店の営業をすぐに再開したり、支援物資を届けつづけたり、お見舞い活動を行うといったアフターケアもきちんとしていて、ありがたいなぁと感じました。皆、“いつか”と思っている自然災害。いつ起こってもおかしくないということを再認識し、自己管理することが大切であるということも改めて学ぶことができた有意義な時間でした。