知の市場

第1回講義概要「グローバル化する社会と協同の役割を考える」

○ 開催日時
2019年4月10日(水)15:00~16:30
○ 開催会場
大東文化大学 板橋キャンパス(高島平)
講師とテーマ

伊藤 治郎(日本生活協同組合連合会 執行役員 渉外広報本部長)
 「グローバル化する社会と協同の役割を考える」

概要

 2019年度の「生協と社会論」がスタートしました。第1回は講座全体のオリエンテーションを兼ねた、日本生協連渉外広報本部の伊藤さんの講義です。大東文化学園生協を例に出し、株式会社やNPOとも対比させつつ、グローバル化する社会における協同組合や生協の役割・現状などについて講義をしていただきました。

受講生の受けとめ

 学生たちが今回の講義後に提出したレポートの一部を、抜粋して紹介します。

Q生活協同組合(団体)について興味や関心を持ちましたか?Aさん:生活協同組合が大学生協だけかと思っていましたが、地域生協や医療・福祉生協など様々な分野に広がっていることに驚き、関心を以前よりも強く持つようになりました。Bさん:自分が思っていた以上に生協は身近なところにあり、私たちの生活の中になじんでいるところ。Cさん:人と人とのつながりを大切にして成り立っている組織だということに関心を持ち、各分野でどうすればより良い社会を作れるかということに興味を持ちました。Qこの講義のポイントは、どこにあったと思いますか?Dさん:株式会社、NPOと協同組合の違いがポイントだと感じた。目的が株式会社は利潤追求なのに対し、組合は生活の向上を取り組んでいる所や、出資金が組合員と株主とで異なること、そして協同組合は組合員が出資・利用・運営方法を決めていることで差別化がはかられていて自分達の生活と直に関わることが多いものだと考えた。何より万人による助け合いの組織であるということが協同組合の理念になっていると学ぶことができた。Eさん:SDGsの思想は大事な考えだと思いました。今の日本や世界全体でもグローバル化が進み、多くの人間と関わる事があたり前になっている時代です。そのような世界でも忘れてはいけないのが、一人一人の協力で全体が良くなろうという考えです。文化や考え方が違っても助けられるという事が分かりました。それは今回の生協の活動を教えて頂けたので、普段の生活から、活動について考える事で自然と参加できるなと思いました。Fさん:株式会社との違いが大きなポイントであると思います。特に、運営方法にある「一人一票」から生協の「信頼」が見え、出資者・利用者・運営者が組合員であることから相互の助け合いを感じました。その中で、生協の目的である「生活向上」も講義のポイントであり、生協を知る上でのポイントでもあると感じました。Qこの講義や生活協同組合(団体)に対する意見・感想はありますか?Gさん:生協、協同組合のルーツの一番最初がイギリスということに驚きました。日本が最初に作ったものだと思っていました。写真にあるロッチデール公正開拓者組合の人たちはスーツなど着ているけど、元々労働者であり生協が作られた経緯として偽物が売られていたのをちゃんとした物を売るというとこから始まったのもおもしろかったです。最初はバターや小麦粉、ろうそくなどから売ることを始めたらしいです。この講義に関してはまだ初回しか受けてないので分かりませんが、前期を通して生活協同組合について知識をたくさん得ることができたらいいなと思います。Hさん:生協については大学内にあるもので、販売している商品がコンビニなどと比べると安く、学生のニーズに合ったものを提供しているという印象があったが、今日の講義を聞いて医療や食品についても扱っていることを初めて知りました。その中で、食品では安心・安全なものを宅配で届けてくれ、買い物に行くことができない妊婦さんなどが利用できる環境があってとても良いサービスであり、これからも維持して欲しいと思いました。大学の中には、生協がない所もあり、そういった面では自分達は、他の大学よりは恵まれているなと感じます。Iさん:私たちのような若い人々は生協に対しての理解が足りないからこそ、組合員になる人が少ないのだと感じました。やはり、子ども等、自分以外の人を大切にするという意識があると、知ろうとする声が多いのだと思います。生協の講義を受けるのも初めてで、知らなかったことだらけでしたが、この授業を受けて、組合員になるということを社会人になっても考えたいと思いますし、より良い生活を目指していきたいな、とも思います。ルーツを知ったり、ビジョンや理念を知ることで、とても良い印象を私は持つことが出来ました。