第4回講義概要「協同組合で働く」
- ○ 開催日時
- 2017年5月10日(水)15:00~16:30
- ○ 開催会場
- 大東文化大学 板橋キャンパス(高島平)
講師とテーマ
足立 玄(日本生活協同組合連合会 第二商品本部日配商品部 洋日配2グループ商品担当)
「協同組合で働く」
概要
第4回講義は日本生協連に入協して十年目の中堅職員、足立さんです。生協で働く職員から「協同組合で働く」ということはどういうことか。また、生協に限らず働くということはどういうことか。過去・現在・未来、働くことにどう向き合ってきたか。ご自身の体験から講義をしていただきました。
「大阪生まれの関西人だけれども、関西人らしくないから笑いは期待しないで」との自己紹介で始まり、いきなり滑った感を出したのは、やはり生粋の関西人でしょうか。一時はブラジリアン柔術の格闘家を目指し、全日本大会では世界チャンピオンとの対戦経験もある。そんな彼だが、実は幼少期に身体が弱くてスポーツができなかったという。身体を気遣った母親が生協の宅配を利用していたので生協はいつも身近な存在だった。反抗期、弱い身体のことで母へ浴びせた心無い言葉とそのときの母の涙に今も悔いが残る。一念発起し周囲の反対を押し切り空手道場へ入門。学生時代、試合中のケガで格闘家になる夢をあきらめ海外へ旅立つ。スウェーデン、ウガンダ、そこで見た生協というグローカル(グローバル+ローカル)な組織に魅了され就職先を生協に決めた。でも就活は生協だけではなく様々な業界を幅広く回った。企業は就活学生に貴重な情報まで教えてくれるから、就活は業界情報を得る絶好のチャンスでもある。
日本生協連入協後は、東北で物流を担当しているときにリーマンショックに遭遇。商品が売れない。とにかく現場を見て回った。倉庫では在庫がどんどん膨らむ。日に日に現場のかたの表情が暗くなるのがわかり急いで対処した。TV刑事ドラマ『踊る大捜査線』青島刑事の名台詞「事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きているんだ」を座右の銘にしている。フィールドスタッフ担当のときに東日本大震災にあった。店舗にいて壁や天井がくずれ九死に一生を得た。被災地では全国の生協が支援にかけつけてくれた。8年目にはシンガポールの生協で現地研修するチャンスを得た。国を越えて商品を共同開発する活動に心が動かされる。現在は、商品担当でパンを担当している。パンの商品開発は成功率1%の厳しさ。模索する日々を過ごしている。
働くことについて学生時代は、自由が管理された「歯車人間」になる。生活のためだからやむを得ないと、正直ネガティブに考えていた。現在は、組織を通して自分一人ではできないことを達成できる。今まで関わらなかった多くの人と新たな体験に出会える。誰か(何か)のために貢献する。そうポジティブに考えられるようになった。将来展望は「リアル」に思い描いた未来は実現する。小さな達成を積み重ね、失敗を恐れずチャレンジし続ける。実践無くば証明なし、まずはやってみよう。
受講生のレポートより