- ○ 開催日時
- 2015年6月10日(水) 15:00~16:30
- ○ 開催会場
- 大東文化大学 板橋キャンパス(高島平)
講師とテーマ
吉岡 尚志(東京都生協連)
「超高齢社会の下、安心してくらせる社会づくり」
概要
第8回知の市場「生協社会論」は、東京都生協連の吉岡尚志さんが「超高齢社会の下、安心してくらせる社会づくり」をテーマに講義しました。受講者の大学生にとっては、この問題はまだ遠い先の話に思えますが、日本人の4人に1人が65歳以上となると予想される2060年には、この講座の受講生は高齢者の仲間入りをしていることになります。この講義を、受講者はどう受け取ったでしょうか?
今回は、文学部日本文学科3年のMHさんが以下のように報告してくれました。
今回は東京都生協連の吉岡尚志さんに講義していただいた。
日本社会はすでに高齢者の割合が21%を越える超高齢社会となっている。高齢者の割合は年々増えていくことが予想され、それに伴う様々な問題も起きてくる。例としては孤独死があげられる。この問題の背景には、高齢社会の質的な変化も関係している。一人暮らしの高齢者が増えた事や、高齢者の7人に1人以上は認知症である事、暮らしの貧困化などの問題だ。孤独死はこれから2~7倍になる可能性がある。
医療生協は、こうした超高齢社会の中で、安心してくらしていけるネットワーク作りを進めている。
たとえば、東京都生協連の購買生協と医療生協が生協の枠を超え協力して進めている「福祉のまちづくり」がある。杉並区、北区、練馬区がモデル地域となった。共通する3つの取り組みのうち一つは個配時等の見守りである。特に毎日の宅配は高齢者の変化に気づきやすいため、何かあった場合の早期発見につながる。二つ目は健康作りで、体操教室やウォーキングを行っている。転倒や転落が高齢者の怪我につながるため、予防効果も期待できる。三つ目はたまり場づくりである。こもらない、楽しくつどう、生きがいづくりとなっている。
また、個人的に東京に木を植える活動に関心を持っている。防火・防災林としての震災対策になるうえ、これを高齢男性が中心に担うことで閉じこもり、孤立防止の取り組みにつながる。
高齢化の進む日本では、福祉についての問題は避けて通れないものである。自分もいずれは通る道であるため、改めて考えるきっかけとなった。