- ○ 開催日時
- 2015年6月3日(水) 15:00~16:30
- ○ 開催会場
- 大東文化大学 板橋キャンパス(高島平)
講師とテーマ
毎田 伸一(全国大学生協連 専務理事)
「生協と若者」
概要
第7回「生協社会論」は、全国大学生協連、専務理事の毎田伸一さんに、現代の大学生活をテーマに講義をしていただきました。講義は、大学生協が行っている学生生活実態調査などを基に、スマホや就活など今の大学生の生活に身近な問題をクイズ形式で受講生に尋ねながら考えていく楽しいものでした。こうした今の大学生を取り巻く状況を振り返った後で、今、大学生協が取り組んでいるいくつかのチャレンジについての紹介もありました。
今回は、日本文学科3年のATさんが、講義内容を次のようにまとめてくれました。
今回の講義は大学生が抱える諸問題に取り組んでいる大学生協についての話だった。
終戦直後の大学は「学ぶことは食うこと」の時代であり、勉学よりもまず食べ物や学習教材を確保することが大切で、大学生協の活動はそこから始まったそうだ。教育環境は終戦直後にくらべ、かなりよくなってきたが、今の時代だからこそ抱える問題が多々ある。一つは生活費や暮らし向きである。一人暮らしをする学生も多く、学生のほとんどがアルバイトをしている。最近ではアルバイトの収入を増やし、仕送りや奨学金を減らすという傾向にある。しかし、最近の大学生協の調査では、生活が楽だと答えている学生が増えている。
大学入学後に大学生が巻き込まれる問題では、「盗難」についで、バイト先でのトラブルが、「宗教団体からのしつこい勧誘」「自転車による交通事故」と並んで二番目に多いものだった。さらに大学生活で最も重視される「就職」について、不安に感じる人は年々増加している。アンケートで2011年以降文系3年生が「自分で何かしらの行動をしている」と回答した人は過去最高の人数だった。就職難という社会の状況がこのような傾向を招いていると考えられる。
このような問題に大学生協は様々な取組をしている。例えば、大学生の生活を支える「食」では朝食100円サービスや自分で栄養管理ができる「学食パス」の発行などをして、大学生の金銭面や体調面の考慮をしている。また、学生の声を受けて単位パンや超巨大メロンパンなどの商品開発をしたり、新入生向けのパソコン講習会も開いたりしている。「就職」においては大学の特徴にあわせた公務員講座を開いたり、世界のボランティアやNPO活動を見て体験し、海外に遊びに行くだけでなく何かを得るために行くという「テーマのある旅」を行ったりと、就職のきっかけとなるような活動をしている。
今回の講義ではアンケートの結果を載せていたため、よりリアルに考えることができた。また私も一人暮らしをしているため共感できる部分が多々あった。私もそうなのだが、アルバイトの収入を増やす傾向にあるのは奨学金をなるべく多く借りないようにするためなのでは?と思った。奨学金を返せない大人が増えているというニュースをよく目にするようになったことが、この傾向を強めているのではないかとも思った。また大学入学後のトラブルで友人関係や金銭トラブルよりもバイト先でのトラブルが多いことは意外だった。
大学生協が行っている朝食サービスや「学食パス」の制度は朝食を食べない学生や栄養管理で便利だと思った。私はアンバランスな食事をとりがちなためすごく助かるなと思った。
また就職支援は生協が行っていることをあまり把握できていなかったこともあり、講義を受けてこういう活動もしているのかと新たな発見もできた。これからもっとよく調べて有効活用していきたい。