- ○ 開催日時
- 2015年2月2日(火) 14:00~15:30
- ○ 開催会場
- プラザエフ5階 会議室
講師とテーマ
磯辺 浩一氏(消費者機構日本 専務理事)
「消費者力を高める」
概要
第14回「生協社会論」は、消費者機構日本専務理事の磯辺浩一氏に「消費者力を高める」をテーマに講演いただいた。消費者機構日本は、消費者被害の未然防止、被害拡大を防ぐため、差止請求などの消費者団体訴訟を行う組織として2004年に設立されている。
磯辺氏は、高度成長期以降の消費者問題を中心に振り返りながら、生協がPCB食品残留基準の再検討運動やPL法制定運動などその折々に消費者運動にも深くかかわってきた歴史を説明した。消費者問題は、高度成長期までは物価や食品についての問題が多かったが、徐々にサービスや契約に関わるトラブルが増え、その内容も複雑、多様になった。こうした流れを受け、2000年6月、国民生活審議会が21世紀型消費者政策を答申。消費者政策が「保護」から「自立」へ、事前規制から事後チェックへと転換し、消費者の権利も明確にうたわれるようになった。消費者政策の実効性を確保するため整備された制度の一つが消費者団体制度。消費者契約法などに違反する事業者の不当行為を未然に防いだり、被害の拡大防止のために、消費者団体が差止請求できるという制度だ。これまで113件の請求に対して67件が認められた。
さらに、被害者に代わって特定の消費者団体が被害回復のために集団訴訟が2016年12月までに可能になる。消費者機構日本ではこの動きに備え準備を進めているが、人手や費用面で課題を抱えていることも紹介された。