知の市場

○ 開催日時
2014年11月11日(火) 14:00~15:30
○ 開催会場
プラザエフ5階 会議室
講師とテーマ

 内山 和夫氏(日本生活協同組合連合会産直グループ)
 「地域の活性化と生協産直」

概要

 「知の市場」5回目のテーマは、生協産直。日本生協連・産直グループの内山和夫氏が「地域の活性化と生協産直」と題して講演した。

 産直とは産地直送、産地直結の略称だが、生協の産直は、単なる食品流通のシステムではなく、食品を通じて消費者と生産者がつながり、食べ物のことや暮らし、地域のことを考えるという共通の理念を持っていることを内山氏は強調した。

 ただ、生協の産直が始まった1960年代から70年代は生協の設立と重なり、安全で安心な食べ物がほしいという組合員の要望を受けて各地の生協が独自に取り組んできたため、産直の定義、とらえ方は生協によって異なり、統一の定義がないそうだ。

 80年代になると、生協は拡大期に入り、組合員数も毎年大きく伸びた。もともと小さな組織同士で始まった産直が急速な拡大に付いていけない面も出てきて、その後、いくつかの生協で事故が発生したこともある。その中で、80年代に「産直3原則」、2000年代には「産直5基準」が全国の生協に広がり、安全性が確保され、表示も正しく、トレーサビリティが確保できる「確かな商品」を供給していく努力を積み重ねてきた。

 現在、全国の産直供給高は約2700億円に上り、食糧自給力を高めるため飼料米を利用した卵や豚、地域の活性化につながる地元産のコメや小麦を使った商品など、生協産直が多様な広がりを見せていることも紹介された。

 この日は、広島県・瀬戸田町のみかんの試食もあり、和やかな講義となった。