刊行物
生協総研レポートNo.103 「生協による市民活動支援の現状と課題 ―市民活動支援研究会報告書―」
本レポートは 2022年8月に生協総合研究所の常設研究会として設置された「市民活動支援研究会」の成果をまとめたものである。本研究会は、地域における市民活動の支援が各地の生協で進められ、市民活動団体と生協との連携などの蓄積が見られるにもかかわらず、それらをどのように地域での実際のつながりづくりに活かしていくかや、生協と市民活動団体双方の活動に活かしていくかなどといった検討が十分ではなく、研究、実践の両面からこれまでの各地の生協の活動実績を踏まえた議論が必要となるのではないかという問題意識から、生協が地域の多様な市民活動をどのように支援していくことができるのか、その仕組みや組織のあり方を検討することを目的として設置された。
研究会のメンバーは以下のとおりである(五十音順)。
- 小関隆志(明治大学教授)
- 小林幸治(NPO 法人まちぽっと理事・事務局長)
- 田代美香(NPO 法人ぐらす・かわさき副理事長)
- 中島智人(産業能率大学教授 生協総研理事・座長)
- 松本典子(駒澤大学教授)
- 三浦一浩(生協総研研究員・事務局)
研究会は、研究者だけでなく市民活動の現場に実際に関わっている方にも参加いただき、その報告をベースにしながら双方の立場から議論する形で進められた。その過程では、特に生協の市民活動支援に関わっている方からオブザーバー参加や報告をいただき、研究会の議論を実り多いものにしていただいた。本レポートに収められた永井伸二郎さん、松山吉和さん、大石高久さんのご論考はそうした報告の成果である。ご報告・ご参加いただいたすべての方に感謝したい。
生協による市民活動支援は、その豊かな活動の蓄積にもかかわらず、十分な学術的な検討が行われてきていない領域といえる。その研究は市民社会のなかにある生協という存在そのものの位置づけを考えることにもつながる。本研究会の成果が生協や市民活動、市民社会の研究に役立てば幸いである。
主な目次
刊行にあたって (三浦 一浩)
現代における市民活動の在り方と市民活動支援の可能性 (中島 智人)
身近な公共性を育む -生協による市民活動支援の意義 (小関 隆志)
生協とNPOが協働で進める基金・助成事業 -草の根市民基金・ぐらんの取り組みから(小林 幸治)
生協と市民活動団体との協働への期待 (田代 美香)
「市民活動としての労働者協同組合」への支援可能性 (松本 典子)
生協による市民活動支援をめぐる論点整理 ─パルシステム東京と福井県民生協の取り組みを中心に─ (三浦 一浩)
「コープみらい・くらしと地域づくり助成」を通じた社会貢献活動 (永井 伸二郎)
生協が設立した中間支援組織・セカンドリーグ神奈川の市民活動・地域活動支援 (松山 吉和)
市民資本の可能性を拓く ~公益財団法人かながわ活き活き市民基金の10年の実践 (大石 高久)
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