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生活協同組合研究 2023年2月号 Vol.565

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職場におけるダイバーシティ推進 ─すべての人が働きやすい職場づくりをめざして─

 労働力人口の減少や、多様化する市場ニーズに対応すべく、企業における女性活躍推進が急務となっている。近年では、各企業の女性活躍の情報がESG投資に活用されるなど、職場において女性活躍推進に取り組むことは、企業価値を高めるためにも、もはや欠くことのできない基本戦略となりつつある。

 2016年には、女性が職場で個性と能力を発揮できる社会の実現を目指して、10年間の時限立法として「女性活躍推進法」が施行された。本法の施行から今年で7年目となるものの、その成果は芳しくない。政府が掲げた「2020年までに、社会のあらゆる分野で、指導的地位に占める女性の割合を30%程度にする(いわゆる202030)」という目標は達成できず、世界経済フォーラムが毎年発表しているジェンダー・ギャップ指数をみても、最新の2022年データで日本は146カ国中116位であり、先進国の中で最低レベルとなっている。

 なお、日本では2010年頃から「ダイバーシティ&インクルージョン」という概念に注目が集まり、女性だけでなく、高齢者、外国人など、様々な人材の活躍が重視されるようになった。確かに、昨今、ダイバーシティが企業や組織にとって重要であるという認知は進んでいるものの、実態が変化したかといわれれば、ダイバーシティの「一丁目一番地」である女性活躍推進をとっても変化のスピードは非常に遅い。

 どうすれば、変化のスピードを速められるのだろうか。そのヒントを得るべく、3名の論者に寄稿をいただいた。そもそもなぜダイバーシティやジェンダー平等が必要なのかという基本的な点を紐解きつつ、それらの取り組みが進んでいる企業とそうでない企業の差はどこにあるのか、政府が打ってきた施策はダイバーシティやジェンダー平等を推進したのか、といった点について論じていただいた。また、これらの論考に加えて、生協を対象とした取材原稿も掲載した。取材では、生協の現場が抱える悩みや課題、その解決のための取り組み、今後の展望などについてお伺いした。

 ちなみに、国内の女性雇用者数を産業別にみると、「医療・福祉」に次いで「卸売・小売業」で働く人数が多く、女性雇用者のうち16.9%が卸売・小売業で働いている(厚生労働省「令和3年版 働く女性の実情」)。その産業で働く女性雇用者が多いという点で、卸売・小売業である生協が、女性が働きやすい職場環境を醸成することができれば、それが社会に与えるインパクトは大きいだろう。本特集が、生協におけるダイバーシティやジェンダー平等をより一層促進させることに寄与すれば幸いである。

(中村 由香)

主な執筆者:武石恵美子、川口 章、中野円佳、山内明子、石井 亮、平野路子、中村由香

目次

巻頭言
角を矯めて牛を殺す(麻生 幸)
特集 職場におけるダイバーシティ推進 ─すべての人が働きやすい職場づくりをめざして─
なぜ「ダイバーシティ&インクルージョン」や「ジェンダー平等」が必要なのか(武石恵美子)
女性管理職が増える企業と増えない企業──どこが違うのか──(川口 章)
この10年で女性は働きやすくなったのか(中野円佳)
コープみらい・コープデリ連合会が進める「Womenいきいきプロジェクト」の概要と今後の展望
 (山内明子・石井 亮〈聞き手:平野路子・中村由香〉)
国際協同組合運動史(第11回)
国際協同組合同盟(ICA)第8回ハンブルク大会(鈴木 岳)
本誌特集を読んで(2022・12)
(松岡賢司・安元正和・山野則子)
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