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刊行物情報

生活協同組合研究 2020年11月号 Vol.538

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地域連携の理論と実践─行政・企業・大学をアクターに

 今回の特集は、社会連携の理論と実践をテーマに、理論といっても確立した分野ではないので、実践にかなり近い執筆者の皆さんにお書きいただいた。読者のみなさんには「分かりにくい」という部分もあると予想するが、研究誌で発信したいのは、交流会のレベルではなく、抽象度をあげた議論である。つまり、この地域でこういう条件であるからできるのだよ、という背景まで含み、普遍化(皆が使えるようにすること)に挑戦している人々である。交流会ももちろん経験共有としては重要で、話をききながら「ここが肝だな」とまとめて次に活かすということをすればよい。

 まだ、通説のようなものがない領域では、『わかりやすさの罠』で池上さんが語るように、フェイクにごまかされたり、いいところしか見せない広報にのせられたりする。地域や地域の生活について関心のある方は、是非、制度設計、お金の流れ、地域のアクターなどが理解できるよう、自身の対象となるものへの理解力をつけていただきたい。

 地域社会では、特に福祉と教育の領域では、市町行政の描いた設計図と予算配分のもとにあることが多く、新しいニーズを届けるのは市民しかいない。市民が行政の正しい遂行を監視することも昔から重要であり、日本ではまだ地方「自治」はうまく機能していない。特に、新しいニーズのある領域ではそうであろう。2000年代から制度をつくってきた子育て支援のリーダーたちは、新しいニーズを制度化していったが、その1人のMさんは市の「設計図と予算」に乗せることが肝要と考え、行政の委員会に参加している。議員になった方もいる。政策に関与する方法はさまざまあるので、生活者ネットワークなどの生協系の市民運動を形成するのか、市民活動からニーズを発信するのか地域の人々と考えることが重要であろう。

 このたび執筆者として、立教大学の原田氏に行政から市民連携にのぞむ状況を、アカウンタビリティを核に論じていただいた。この語でつまずいた方はぜひ学習いただきたい。行政は常に市民全体への説明責任を負いながら仕事をしている。組合運営も組合員への説明責任があるのと同様である。ソーシャルビジネス推進センターの相内氏に、生協と多数の行政との連携に成功したスキームを開発した経緯と内容を論じていただいた。次に新型コロナ禍でも耐久性のある地域と大学の連携を ICT を活用して開発している香川氏に、大学との連携は有効であることも示していただいた。近本は市町行政や住民ニーズに商品面や流通面で対応している生協は、市民活動への中間支援が向いているのでは、という提起をさせていただいた。藤木氏には、コロナ禍で持続化給付金の対象とならないワーカーズの苦労を、また濱住氏には、NPO が区から受託した事業も含め地域や生協との連携で「子ども目線」の学習支援を開拓している状況を書いていただいた。

 さて、読者のみなさんは、協同組合はなぜ地域貢献するの?という問いに説得力のある回答ができるだろうか。「組合原則に追加されたから」などと言っている人たちは、組合以外の人々にどのように説明するか、基礎力を高めて挑戦いただきたい。

(近本聡子)

主な執筆者:原田晃樹、相内俊一、香川治美、近本聡子、藤木千草、濱住邦彦

目次

巻頭言
人生100年時代,思いたった時が始め時(重川純子)
特集 地域連携の理論と実践─行政・企業・大学をアクターに
政府・自治体のアカウンタビリティと評価──新自由主義への対抗軸としてのサード・セクター組織と自治体──(原田晃樹)
ソーシャルビジネスのインパクト:行政と生協に与える変化(相内俊一)
地域課題の解決に向けた地域と大学の連携とICTの利活用(香川治美)
地域連携には中間支援組織も必要──生協の人・集団が取り組める可能性──(近本聡子)
コロナ禍で顕在化したワーカーズ・コレクティブの価値と課題(藤木千草)
子どもの学習支援を契機に,地域のコミュニティーづくりを目指して(濱住邦彦)
研究と調査
SDGsに向けた生協の取り組みの実態と特徴──全国主要50生協へのアンケート調査より──(木村奈保子)
本誌特集を読んで(2020・9)
(矢間裕大・川口啓明)
書籍紹介
斎藤幸平『人新世の「資本論」』(鈴木 岳)
磯田道史『感染症の日本史』(鈴木 岳)
研究所日誌
公開研究会「プラスチック汚染・脱プラスチック(11/12)」
公開研究会「コロナ禍と生協~『生協』らしいつながり方』の模索(11/20)」
公開研究会「感染予防体制下での食生活の動向─家計と購買データをみる(12/8)」
2020年度生協総研賞・第18回助成事業の対象者を決定