【新刊のご案内】
『社会的セーフティネットの構築 ~アメリカ・フランス・イギリス・日本』
中間層が厚く格差が少ないはずであった日本社会は、いまやアメリカ、あるいはほかの先進諸国と同様に、高所得層、低所得層に二極化し、社会的格差は拡大しつつあります。この格差は、子どもの貧困問題に直結しており、栄養バランスの悪い食事、自己肯定感の低さ、進学の断念など、貧困世帯で育つ子どもの様々な問題がクローズアップされています。
この問題を抱える当事者に必要な支援を提供できる体制を整えること、これを本書では「社会的セーフティネットの構築」と呼んでいます。日本の状況を見ると、その構築が十分に進んでいるとは言い難いですが、他の国ではどうでしょうか。日本には、今後、何が求められるのでしょうか。
本書は、このような問いの回答を求め、岩崎久美子氏(放送大学教授)をリーダーとして、2015年~2018年に行われた共同研究の成果の一部をまとめたものです。具体的には、アメリカ・フランス・イギリス、そして日本の4カ国において、子どもの貧困問題に対してどのような取組みがなされているのかをまとめた総論と、それぞれの国で先進的な取組みをしている団体の事例調査の結果を収録しています。
当研究所の中村由香研究員も執筆しております。是非ご一読ください。
2019年2月21日発行 A5判・208ページ
定価(本体1,500円 + 税)
発行:(一財)日本青年館「社会教育」編集部
目 次
はじめに
第1章 アメリカ
総論:アメリカにおける子どもの貧困と教育
事例1:フェイシーズSF(Facessf)
事例2:カリフォルニアNPO協会(CalNonprofits)
事例3:フリーモント・ファミリー・リソース・センター(FRC)
事例4:スパークポイント
事例5:ティーチ・フォー・アメリカ
事例6:イーストベイ アジア青少年センター(EBEYC)
事例7:スマート・プログラム
事例8:ピア・ツー・ピア大学(P2PU)
事例9:NuVu
第2章 フランス
総論:子どもの貧困と教育をめぐるフランスの状況
事例1:フォーラム・デ・アソシアシオン
事例2:余暇・社会統合協会(ALIS)
事例3:地域文化・経済・社会協会(ARCHES)
事例4:サンプロン
事例5:レゾリス(RESOLIS)
事例6:パスポート・アブニール
事例7:ATDカールモンド
事例8:オートゥイーユ職業訓練院
第3章 イギリス
総論:就学前保育と教育
事例1:ランベス早期行動パートナーシップ(LEAP)
事例2:カーディナル・ヒューム・センター
事例3:子ども協会
事例4:ロンドン市長基金
事例5:ファミリー・アクション
第4章 日本
総論:子どもの貧困に関する政策の動向と課題
事例1:日本財団「子どもサポートプロジェクト」
事例2:彩の国子ども・若者支援ネットワーク
事例3:True Colors
事例4:チャイルド・リソース・センター
事例5:エデュケーションエーキューブ
事例6:子どもデザイン教室
事例7:おおさかこども多文化センター
事例8:豊島子どもWAKUWAKUネットワーク
事例9:暮らしづくりネットワーク北芝
事例10:グリーンコープ生活協同組合ふくおか・子ども支援オフィス
おわりに
執筆者一覧
岩崎久美子(放送大学教養学部教授)
荻野亮吾(東京大学高齢社会総合研究機構特任助教)
柏木博(大阪市立大学大学院創造都市研究科教授・法政大学大学院連帯社会インスティテュート教授)
金藤ふゆ子(文教大学人間科学部教授)
近藤真司(一般財団法人日本青年館『社会教育』編集長)
左京泰明(特定非営利活動法人シブヤ大学代表理事)
佐藤智子(東北大学高度教養教育・学生支援機構准教授)
ジャン=フランソワ・サブレ(フランス国立科学研究センター(CNRS)名誉研究部長)
須原愛記(大阪大学企画部経営デザイン課長)
園部友里恵(三重大学大学院教育学研究科特任講師)
中村由香(公益財団法人生協総合研究所研究員)
錦織嘉子(文教大学生活科学研究所客員研究員)
堀野亘求(認定特定非営利活動法人大阪NPOセンター事務局長)
豊浩子(国立教育政策研究所フェロー・明治学院大学講師)
吉川理恵子(特定非営利活動法人NPOサポートセンター顧問)
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