アジア生協協力基金
アジア生協協力基金活動報告会
- ○ 開催日時
- 2023年9月7日(木)14:00~16:20
- ○ 開催形態
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Zoomミーティングによるオンライン開催
オンデマンド配信あり - ○ 開催会場
- プラザエフ5階会議室
- ○ 参 加 者
- 43名
プログラムと報告者
宮﨑達郎(生協総合研究所 研究員) 「アジア生協協力基金の概要について」
- 報告①
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三浦孝子(特定非営利活動法人アーシャ=アジア農民と歩む会 代表理事)
「北インド農村女性の自立のための手工芸品マーケティングシステムの確立と生産・技術能力向上事業」 - 報告②
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柳原さつき(特定非営利活動法人アジアキリスト教教育基金 事務局長)
「ノンフォーマル学校を通じた
マイクロファイナンス・パイロットプロジェクトのための貯蓄・融資グループ組織化・組織強化事業」
概要
アジア生協協力基金の一般公募助成事業の成果を共有すること、NPO/NGOなど市民グループへの今後の応募に関する情報提供、昨年に続き活動報告会を一般に広く公開する目的で実施した。
まず、生協総合研究所の宮﨑研究員より、アジア生協協力基金の概要について、基金設立の経緯から現在までの活動、2つの事業(国際協力助成事業と一般公募助成事業)の説明が行われた。現在、募集中の一般公募助成について、対象要件や審査の流れ,助成後の経過についての説明を行った。
続いて活動報告では2022年度に3年間の助成を終了した2組織から詳細な報告が行われた。
特定非営利活動法人アーシャ=アジア農民と歩む会の代表理事 三浦孝子氏からは、「北インド農村女性の自立のための手工芸品マーケティングシステムの確立と生産・技術能力向上事業」の事業についての報告が行われた。北インドの農村で、裁縫教室を開き、日本や現地で販売できる縫製品の開発と生産を支援し、農村女性の収入確保の場をつくり社会的地位の向上を図っている。お土産製品が売れなくなったコロナ禍では、マスクや病院用の防護服や現地での日常衣料に販売方針を切り替える等、コロナ禍の危機を乗り切る工夫を行った。マーケティングと縫製技術の向上を図り、売り上げを着実に伸ばしている。現地からの報告もあり、自作の製品を画面に紹介しながら説明をする北インドの女性の笑顔は事業の成果が伝わり印象的であった。
次に特定非営利活動法人アジアキリスト教教育基金の事務局長 柳原さつき氏より、バングラデシュにおける「ノンフォーマル学校を通じたマイクロファイナンス・パイロットプロジェクトのための貯蓄・融資グループ組織化・組織強化事業」の事業についての報告が行われた。バングラデシュのマイクロファイナンス事業についての説明があり、ノンフォーマル学校の先生がまとめ役となってグループ活動を行っている状況、融資をうけた女性の活動例として葉タバコ屋さんや乳牛業などの報告があった。受益者は約1883人にまでとなり、この活動も女性の家庭内での発言力のアップや、女性の地位向上につながり、新しいチャレンジを行っている。今後も規模拡大を目指しており、そのためには政府の承認が課題となっている。質疑応答で質問があった融資の返金率については95%とのことであり、借り手のトレーニングと融資側の運営体制の成果が伺える。家計が安定することで子どもたちの教育の継続にも大きく役だっている。
非常に優れた事例報告をいただいたこともあり、質問も多く出された。今後もアジア生協協力基金の成果を広く共有できるよう報告会は継続したい。