生協社会論
2023年度第14回講義概要「食の安全・安心を考える」
○開催日時 2023年7月26日(水)15:00~16:30
○開催会場 大東文化大学 板橋キャンパス
講師とテーマ
早川 敏幸(日本生活協同組合連合会 品質保証本部安全政策推進室 室長)
「食の安全・安心を考える」
概要
講師の早川さん
第14回講義の講師は、日本生活協同組合連合会(日本生協連)の早川さんです。食品の安全と安心、食料安全保障の観点から必要な技術、リスクアナリシス、食品の安全情報の読み方などについて講義をしていただきました。
受講生の受けとめ
Q 生活協同組合(団体)のどのようなところに興味や関心を持ちましたか、または持てませんでしたか?
Aさん
食品の安全に関する生協の取り組みとして、CO・OP商品一つ一つの安全確保、食品安全に関する情報提供や学習活動、社会全体の食品安全システムの向上を目指す部分に興味を持った。
Bさん
生協では食品の安全確保という面で、データをとり、リスクを評価した上で使うためのルールを決める、リスク管理を行うリスクアナリシスに関する取り組みを行っていることに興味を持った。実際に学習会や食品衛生法改正運動などを行っており、組合員同士の取り組みに関心を持った。
Cさん
実際に、食品衛生法の改正運動をし、1000万筆以上の署名を集めて、国会で検討が行われたというところが凄いと感じた。
Q この講義のポイントは、どこにあったと思いますか?
Dさん
食料安全保障のために必要な技術として、さまざまな分析を行っていることがポイントだと思いました。農薬などの身体によくないものを作る必要があっても、無農薬のものを作ることによって値段が上がったり、生産量が変わってしまうという問題があります。このようなリスクをおさえるためには品種改良を行ったり、取り締まりを行う必要があると思いました。食料に対しての安全を守るためにも、消費者に積極的に情報公開を行ったりする取り組みは重要だと思いました。
Eさん
「人工」という言葉が入るだけで危なそうで、体に悪そうというイメージを抱いてしまいがちですが、だからといってそれらをなくせばいい、使わなければいいというわけではないのだなと思いました。授業やゼミで化学肥料や殺虫剤を使わずに農業を行おうとしている地域のことを勉強したところだったので、とても勉強になりました。
Fさん
食の安全に注目してしまうと、どうしても「十分な量の食料を供給する」という事は難しい。そのため、両立する為には、問題が生じる前にデータを取り評価をする、使用するためのルールを決めておくなどの取り決めをすれば良いというところ。
Q この講義や生活協同組合(団体)に対する意見・感想を書いてください。
Gさん
この講義を受講して、安全に対する捉え方が変わった。今まで安全安心を混同して扱っていたが、両者の違いについて、そして安全の基に安心が成り立っていることを学んだ。安全に関することでは、農薬がどのような立ち位置かを再確認できた。私は農業に関する講義を受講しており、農薬を使わない農業の利点を主張する反面、農薬を強く否定していた。しかし、農薬を用いることが必ずしも悪いことではなく、データを取ることやルールを決めることで安全性を保つことが可能になることを学んだ。また、自分にとって正しいと思う情報ばかりを集めていた節があるため、情報の安全性を度々確認してみたい。私たちが安全な商品を手に入れられるのは、生協をはじめとする様々な人の努力によって成り立っている。今回の講義を思い返しながら、商品を購入したいと思う。
Hさん
安全と安心の違いや関係は考えたことがなかったので、学ぶことができてよかったです。この両者の関係性と不安について、よく分かり、興味深いと思いました。私自身も人工のものや農薬を使わない方が安心できると思いましたが、農薬を使わないとりんごの多くが病気になってしまうということを知り、全く農薬を使わないことは難しいと思いました。今は食品添加物や農薬を摂取することによって何も問題は発生していないですが、もし身体に異常があったときにその食品が原因だとは特定しにくいと思うので、生産者の情報と信頼が成立することで消費者が食べると思いました。消費者にできることは限られているので、生産者の情報公開や国の取り組みが重要だと分かりました。また、栄養バランスがとれていても同じものを食べない方がいいというのを知って、私は同じ物ばかりを食べているので、気をつけたいと思いました。
Iさん
一人暮らしを始めてから、食品によく気をつけるようになり、食品の安全・危険について詳しく知れて良かったです。また安全に対して生協が行っている取り組みや、日常で気をつけたいことが分かって良かったです。今後の生活で気をつけていきたいと思いました。ですが、ただ添加物が入っているからすべてが危険と判断するのではなく、リスクが評価されて管理されているものであると理解したので、考えて判断したいと思いました。自分でご飯をつくる時、一緒なメニューを続けてしまったり、サプリで栄養をとろうと考えてしまうことがありますが、できるだけ色々な食品をバランスよく食べて健康に生活したいと思いました。