生協社会論

2023年度第6回講義概要「環境・サステナビリティの実践を考える」

○開催日時 開催日時 2023年5月31日(水)15:00~16:30

○開催会場 大東文化大学 板橋キャンパス

講師とテーマ

新良貴 泰夫(日本生活協同組合連合会 社会・地域活動推進部 サステナビリティ推進GM)
「環境・サステナビリティの実践を考える」

概要

講師の新良貴さん
講師の新良貴さん

 第6回講義の講師は、日本生活協同組合連合会(日本生協連)の新良貴さんです。キーワードの解説に続き、生協がSDGsや社会的責任に取り組む理由、生協の2030環境・サステナビリティ政策と活動事例などについて講義をしていただきました。

受講生の受けとめ

Q 生活協同組合(団体)のどのようなところに興味や関心を持ちましたか、または持てませんでしたか?

Aさん
紙の使用量を減らすためにアプリやWebの利用を広げたり、食品ロスをなくすため手前から取ってもらう「てまえどり」など、環境に優しくした取り組みをたくさんしているところに関心を持ちました。

Bさん
SDGsは「正の影響の強化」と「負の影響の最小化」の両面が必要であり、特に「負の影響の最小化」を通じて社会的に責任を果たすことが大事とされている部分に興味を持った。

Cさん
直接関係のないところでも、無関係とせずSDGsに取り組んでいるところ。アルバイト先のスーパーマーケットでリサイクルボックスの回収を仕事の1つとして行っているので、生協発祥ときいて関心を持った。「てまえどり」も!最近よく見かけるようになったのですごい。

Q この講義のポイントは、どこにあったと思いますか?

Dさん
自分の都合だけでなく、他の人々や社会、環境など地球全体のことを考えて商品やサービスを選ぶエシカル消費に取り組むことが持続可能な社会にとても重要である。各企業の事業が環境と社会に与える影響についてしっかり把握し、環境・サステナビリティに取り組む「社会的責任」を果たす企業が求められる。

Eさん
一番のポイントとしては、“エシカル消費”に対応した商品を拡大し、普及させる、そしてエシカル消費について多くの消費者に知ってもらう、共感してもらうことだと思いました。実際に生協が行っている取り組みとして、サステナブルな原材料を主原料として使用した商品を独自のロゴをパッケージに表示して認識を高めようとしている活動が様々見られました。生協がこうした取り組みを行うことで、多くの消費者(組合員)が数ある商品のうち環境・社会に配慮した商品を選ぶようになり、この好循環が実現すれば、私たち人間にとっても、環境にとっても非常に優しく暮らしやすい社会になるのだということがよく理解できました。エシカル消費だけでなく、持続可能な社会を目指し実現するためには、プラスチック削減や食品ロスの削減、CO2削減など環境に対して考えた取り組みも重要であることが良く理解できました。

Fさん
もう就職活動が少しずつスタートしていますが、今日の講義を受けて、私も環境に与える影響を考えて配慮していたり、授業であったような「エシカル消費」などを考えている企業で働けたらなと思うようになりました。これからどんどん多くの企業を見ていくことになりますが、その企業が持っている環境的な目標の到達点なども詳しく見てみるように心がけていきます。

Q この講義や生活協同組合(団体)に対する意見・感想を書いてください。

Gさん
SDGsのコープでの活動において「正の影響の強化」と「負の影響の最小化」の両方が進められていることを知り、正の影響の面だけを自分はみていたことに気付かされた。きちんと負の影響の面を見ることによってSDGs目標達成に近づくことを認識できた。目標をたてていても満足せず、少しずつ更新していくというサステナビリティに対する熱意を強く感じた。プラスチック商品はやはり何においても使われているため、減らすことは難しくむしろ増えているということを隠すことなく発信しており、高い目標にむかって試行錯誤していることも分かりとても好印象だなと感じた。環境や人権配慮が出来ていないとサプライヤーから拒否されてしまうという企業間での実態を知ることが出来、環境保全された未来のために多くの企業が動いているのを理解できた。様々な事業に取り組んでいる生協だからこそ、多くの対策活動が出来るのだなと感じた。

Hさん
生協も環境に対して負の影響を与えているところがあることを初めて知った。その負の面があることを隠さずに、それをどう改善していくかを考えていくことは、大小関わらず全ての企業がやるべきだと感じた。プラスチックの使用量を25%減らす目標については、結果として現在増えているとしても、地球環境のことを考えればなくてはならない目標だと思う。しかし、目標を大きく掲げすぎると、全く達成できなかった場合、信用問題に関わるのではないかと感じた。エシカル消費に関しても、全ての人が地球のことを考えれば効果がでると思うが、問題を理解していたとしても、ほとんどの人が何も考えずに買いたい物を買うと思う。解決するために何かしら取り組みをするのはよいと思うが、大きな効果はそれでも出ないと感じる。

Iさん
今日の講義を通して、企業は環境・サステナビリティについて考えて取り組み、社会的な責任を果たすことの重要さを学んだ。中でも何度も話題に出ていたエシカル消費はとても大切だと思った。エシカル消費はなかなか難しいものであると思うが、生活協同組合の活動としてエシカル消費に対応した商品をつくっていて、組合員がエシカル消費の意識を高められてとても良いと思った。また、生活協同組合の環境・サステナビリティの目標やレポートを見て、良くも悪くも実際にどのような結果が出ているのかを知れてとても関心が持てた。自分はこれから就職活動があるが、興味のある企業がこれらの問題に対してどのように考え、結果を出しているのかという視点は必ず持たなければならないと感じた。社会的な責任を果たせている企業で働きたいと思った。