生協社会論
2023年度第5回講義概要「多角的な視点から平和を考える」
○開催日時 2023年5月24日(水)15:00~16:30
○開催会場 大東文化大学 板橋キャンパス
講師とテーマ
伴 資之(日本生活協同組合連合会 社会・地域活動推進部 組合員活動G)
「多角的な視点から平和を考える」
概要
講師の伴さん
第5回講義の講師は、日本生活協同組合連合会(日本生協連)の伴さんです。ウクライナ侵攻に対する取り組みを含む日本の生協の平和の取り組みを紹介した後、核兵器問題をとり上げ(被爆の証言も紹介し)、最後に「平和のためにできること」について考える場を設けていただきました。
受講生の受けとめ
Q 生活協同組合(団体)のどのようなところに興味や関心を持ちましたか、または持てませんでしたか?
Aさん
CO-OPがこのような平和活動を行っているということを初めて知りました。様々な世代の人が利用するCO-OPが平和に対する取り組みや今私たちにできることなどを発信していくということは若い世代への理解につながると思い、関心を抱きました。
Bさん
生協が「平和」を理念として活動しているという点に、深い感銘を受けた。こうした啓発活動が、戦争を経験していない若い世代にとっては非常に重要であると考えた。
Cさん
生協の平和への取り組みとして、ピースアクションを行っていて、平和について考え、学び合う機会があること。日常生活では平和について考える機会はほとんどないため、こういう活動はとても大切だと思った。
Q この講義のポイントは、どこにあったと思いますか?
Dさん
平和は日本の生協運動の理念。平和企画(ピースアクション)に取り組んでいて、主に広島・長崎・沖縄などで体験者から直接話を聞いて平和について考える機会を作ったりしている。戦争によってもたらされる影響などを理解するために若い世代に伝え、平和について考え、身近なことから始めることが大事。
Eさん
日本生協連が行っている平和の取り組みについて、実際に被爆者や戦争体験者にお話を聞き、平和について考える機会を作っていることがすばらしいと思いました。平和にするために考えるだけでなく、子供などにも伝えるための活動をしている点がとても印象的でした。平和のために実際に出来ることとして世界の人がひとりひとり戦争によってもたらされる悲惨さを理解したり、若い世代に伝えることで広がっていくという生協さんの中でのグループワークの意見はとても私自身も考えさせられました。
Fさん
生協は平和活動としてピースアクションなどを行っていて、平和に向けて1950年代から様々な動きをしているということ、核兵器のない世界を実現していくためには被爆者や被爆二世などの方々によって、その体験を次世代に語り、継承されていくということが大切だというところにあったと思いました。
Q この講義や生活協同組合(団体)に対する意見・感想を書いてください。
Gさん
生協は地元に根ざして地域の生活を助ける団体であるというイメージがとても大きかったため、世界平和のようなスケールの大きな目標を持っての活動も長年にわたり積極的に行っていることが意外であり、少し衝撃的でした。しかし少し考えてみれば、元々生協に対して持っていたイメージである「地域住民の幸福な生活の維持のためにサポートする」ためには平和であることが必要不可欠であることは分かるため、大きな納得感も同時に得ることができました。今回の授業で知った平和活動は全体の一部にすぎないと思うので、生協のそういった活動について調べてみたいと思いました。
Hさん
私もピースアクションのようなものに参加したことがありました。内容としては、被爆者の方や特攻をするはずだった人の体験談や考えなどをお話してくださいました。このようなことを小さいうちから学ぶことによって、平和の重要性や「争いは良くない」という考えが根付くと思います。そのため生協さんが行っているピースアクションは、平和を次の世代まで維持するための大きな一歩だととても思います。
Iさん
これまで生協について学んできて概要を知っているつもりだったけれど、ロシアによるウクライナ侵攻問題に生協が関係しているとは思っていなかったため、とても驚いた。
講義の中で「2030年には、被爆・戦争を体験した世代から直接話を聞くことが難しい時代を迎える」とあり、小学生の時に行った戦争体験を知るためのインタビューを思いだした。その時は、知らなかった戦争の世界や昔の暮らしを知ることができとても勉強になったが、これからの子供たちはそういった直接的なインタビューができなくなっていくため、私たち世代が語り継ぐべきだと感じた。そのような点から、子ども平和会議などの活動はとても有意義だと考えられるため、もっと拡大してほしいと思う。「平和とは何か」という問いに明確な答えを見い出すのはかなり難しいと思うが、核兵器と戦争をなくすことは限りなく答えに近いのではないかと思う。