生協社会論

2023年度第2回講義概要「誰もが安心してくらせる地域社会を考える」

○開催日時 2023年4月26日(水)15:00~16:30

○開催会場 大東文化大学 板橋キャンパス

講師とテーマ

蔦 直宏(日本生活協同組合連合会 社会・地域活動推進部 地域コミュニティG)
「誰もが安心してくらせる地域社会を考える」

概要

講師の蔦さん
講師の蔦さん

 第2回講義の講師は、日本生活協同組合連合会(日本生協連)の蔦さんです。日本のこれからの地域社会と課題、社会課題の解決に向けた生協の取り組み(宅配などの事業基盤を活用した生協による「地域見守り活動」、自治体との包括連携協定に基づく活動事例、貧困・格差問題への対応事例など)について講義をしていただきました。

受講生の受けとめ

Q 生活協同組合(団体)のどのようなところに興味や関心を持ちましたか、または持てませんでしたか?

Aさん
「見守り活動」を中心とした地域包括協定が、宅配をしているときに組合員の変化に気づいて対処できていて、とても良い取り組みだと思った。この取り組みがどんどん広がっていって、ほとんどの自治体が協定を結べば、緊急時の問題への対処がより速く正確にできると思い、大変興味をもった。

Bさん
充実したインフラを持っていることを強みとして、地域の見守りなどを兼ねることができたり、災害時などにノウハウを活かして支援することができるという点に関心を持った。

Cさん
生協は幼いことから身近な組織であったと思う。実家では毎週食品の宅配をしてもらっていた。資料にもあるように、生協の宅配は多くの人を支えている大切なインフラであると思う。この宅配が、地域の見守りの役割も担っている大切な仕事であると興味をもった。

Q この講義のポイントは、どこにあったと思いますか?

Dさん
生活協同組合は宅配インフラを活用し、地域見守り活動を行ったり、多様な困りごとに対応して地域の安心安全をまもっていることを知ることが出来ました。また、高齢者の安全を守るだけではなく貧困の人々への取り組みや子ども食堂を行うなど地域に様々な形で関わり、助けていることを知りました。安心してくらせる地域づくりを周りと連携しながら行っていくことがとても大切であると学びました。

Eさん
生協は協同組合原則という7原則に従って地域に根ざした組織としてSDGsを意識しながら活動していると分かった。「見守り協定」によって地域の見守り活動を行っており、住民が改善してほしい住環境のニーズにしっかりと対応できるような取り組みをしていると知り、地域が協力し合って暮らしやすい街を作っているのだと理解できた。相対的貧困に焦点を当てた取り組みでは、実際に子どもの貧困を助ける支援が沢山紹介されていた。課題解決のために生協が大切にしていることとして社会全体で「つながる力」というのが挙げられていて、生協では地域と社会と、周りのつながりが大切なのだということが伝わった。

Fさん
生協は地域に根ざした組織であり、コミュニティの持続可能な発展のために活動しているということ。日本の問題として貧困があり、特に子どもの貧困は相対的貧困で見のがさないことが大切。誰もが安心して暮らせる地域社会をつくるには、多様な人々が協働・協同し、1つの団体だけでなく、様々な主体がそれぞれの強みを活かし、連携し、社会全体で「つながる力」が重要となる。

Q この講義や生活協同組合(団体)に対する意見・感想を書いてください。

Gさん
今回の講義を受けるまでは、生協は食材などの販売・宅配のサービスを行っていることしか知りませんでした。しかし、販売や宅配を通して地域づくりの発展に関与していたり、社会問題の解決も行っていたりと多くのことが知れました。その中でも宅配を活用した地域見守り活動に興味を持ちました。高齢化が進み、高齢者だけの世帯が増えている中でなにか問題が起きていないかと安否確認の役割を果たしてくれているので、家族や地域の人が安心して暮らせると思いました。

Hさん
生協が地域にねざした組織であるということが、行政との連携や奈良県の事例を見て理解できました。現在、日本でも問題になっている子どもの貧困に対して子ども食堂や学習支援が少しずつ増加していることが講義で理解でき、子どもの貧困の数はそれなりにあるんだと現実味を感じました。生協だけでなく行政などと連携することで、より多くの人に対して支援を行い、多くの人の生活を支えられていることが分かりました。

Iさん
今回の講義では、地域の課題解決のために生協がどのような取り組みをしているのかを学ぶことができました。私の実家では生協の宅配を利用していて、宅配にきてくださった時にいつも話しかけてくれます。さらに注文票がない時は電話をくれて注文確認をしてくれたりと助かっています。つい先日は祖母の家に宅配の営業に行ったようで、祖母が認知症なのではと、数時間後にもう1回いって確認してくださいました。祖母は認知症だったので、その時に祖母の家にいたヘルパーさんにそのことを伝えてくださいました。生協の方は地域との関わりを特に大切にしていると感じました。また、貧困問題について、私は卒論で子ども食堂をとり上げる予定なので、それに関する話がきけて良かったです。