生協社会論

2023年度第1回講義概要「変わる大学生活を考える」

○開催日時 2023年4月19日(水)15:00~16:30

○開催会場 大東文化大学 板橋キャンパス

講師とテーマ

中森 一朗(全国大学生活協同組合連合会 専務理事)
「変わる大学生活を考える」

概要

講師の中森さん
講師の中森さん

 2023年度の「生協と社会論」がスタートしました。第1回は全国大学生活協同組合連合会の中森さんです。大学生協が終戦直後から学生生活の悩みに寄り添ってきた歴史と組織の成り立ち、コロナ禍で変わる大学生活の実相、今後も学生に寄り添っていく大学生協の役割などについて、講義をしていただきました。

受講生の受けとめ

Q 生活協同組合(団体)のどのようなところに興味や関心を持ちましたか、または持てませんでしたか?

Aさん
戦後の食糧不足の問題から、現代の学生が抱える不安や問題まで、様々な事例に生協は対応していることがわかった。また、当時の大学ノートの誕生の話がとても興味深かった。学生の声に対応してくれる大切な組織であることを知ることができて、とてもおもしろかった。

Bさん
学生生活実態調査報告から大学生の生活なリアルな状況を知ることができる点に興味を持った。出資者と利用者と運営者がつながり、1つの組織となっている生協は、意見を出しやすいことや課題解決につなげやすいことなど多くの利点があると感じ、その仕組みに関心を持った。

Cさん
2020年度入学の者なのですが、学生生活実態調査の結果と自身の学生生活への評価が見事に連動していて面白かったです。体感としても「対人<趣味」の考え方を持つ人が多いと感じる為、それを表すデータを実際に見るとより深く知れることがありそうに思います。

Q この講義のポイントは、どこにあったと思いますか?

Dさん
昔から今に至るまでの大学生活と大学生協のつながりを感じることが出来たこと。コロナ前、コロナ禍、コロナ改善後の学生の思想、傾向を示してくれること。大学生活の充実度に関して詳しく分析して下さっていて、その先についても大学生協側が考えて下さっていること。また、私はあまり大学生協が何をしているどんな団体なのか知らなかったが、今回を通して大学生協が取り組んでいる内容や学生のことを強く想ってくれている組織ということを知ることが出来たこと。より良いキャンパスライフを送るにあたって大学生協の存在の大きさを学べたこと。

Eさん
コロナ禍の学生生活実態調査だと思います。コロナ禍では学生の生活がかなり制限されており、コロナ禍前とその後の変化を数値で読み取る内容に興味深く感じたからです。特に、対面とオンラインが混在していて困るというのは私も思っており、全国の大学生が同様のことを思っていることに「思うことは同じなのだ」と感じました。コミュニケーションの危機が続いているのに、一番取り組みやすそうなサークル加入が回復されないのは、何でもネット上でつながることができる現代だからこそなのだと感じ、生協は便利になっていく世の中で学生のために何が必要で実行できるのか大変だと思いました。

Fさん
この講義のポイントは、大学生協が時代ごとの学生の悩みや改善するべき課題を、データを元に解決している点だと思います。特にポイントだと感じたところは2点あり、1つ目は学生生活実態調査による分析で、2つ目は生協の在り方です。1つずつお話すると、学生生活実態調査による分析は、実際に学生生活を行う学生の声から課題を見つける点が重要だと思いました。特に、コロナ禍の調査報告を見て、コロナ以前の結果とは明らかに違うことが分かり、課題が明らかになりやすい点が良いと思いました。2つ目の生協の在り方では、学生や教職員など皆が組合員として、よりよい組織を追求できる点が重要だと思いました。以上の2点がポイントだと考えました。

Q この講義や生活協同組合(団体)に対する意見・感想を書いてください。

Gさん
大学生協について売店や食堂のイメージがあったのですが、大学生のために他にもたくさんのことがあることがわかりました。昨年度、パソコンがこわれてしまいどうしていいか分からない時に大学生協で直してもらえると聞き、修理にだすことができました。修理代も安くすみ、短期間で修理していただけました。大学生が困った時に助けになってくれるのが大学生協だということが分かりました。授業内で紹介された学生生活実態調査について初めて知りました。同年代の大学生が自分と同じような気持ちで大学生活をおくっていることを知りました。この調査結果から、大学生協が分析し課題抽出をし解決に向かおうとしていることが分かりました。

Hさん
生活協同組合の学生生活実態調査により、例えばコロナ禍による課題地獄やオンライン授業の良し悪しなど、学生の認識を可視化できることが良いなと思った。オンライン授業により、通学時間が無くなったことから課題を多めに設定していた先生もいたので、こういった調査が行われているのはとてもありがたい。また、自分が4年生ということもあり、グラフ化されているのを見てコロナ禍の不満感といったデータに共感した。この講義では大学生協がどんなものかとてもわかりやすかったけれど、大学入学時の生協加入案内はいまいちどんなものかわかりづらく、加入に迷ったことを思い出した。また、学生の意見を聞いて採り入れた取り組みを行っていて、学生にとても寄り添っているのだと思った。

Iさん
私たちにとってはコロナ禍での大学生活が当たり前になっているので、コロナ禍前の「普通・当たり前」の大学生活と何が違うのかということをあまり考えてきませんでした。学生生活実態調査で勉強時間や講義について調査しているイメージがありましたが、キャンパス滞在時間の変化など、予想外な内容もあり驚きました。印象に残ったのが食堂についての話しで、昼休みを一緒に過ごす友人達は絶対に食堂に行きたがりません。透明なパーテーションだとしても話し声は聞こえづらく、コミュニケーションが取れないのが理由だそうです。同じ理由で、私も1人の時しか食堂を利用しません。入学時に食堂パスを1万円分購入しましたが、このままだと使いきらないまま終わってしまいそうです。