刊行物
生活協同組合研究 2025年2月号 Vol.589
地域からつむぐ協同組合のアイデンティティと明日~第33回全国研究集会報告
2025年は、国際連合によって定められた「国際協同組合年」(IYC2025)となった。協同組合にとって2012年以来2回目となる国際年に向けて、全国実行委員会を立ち上げ、各種活動の検討が開始され、全国や都道府県レベルで協同組合の仲間が手を携えて様々な活動がおこなわれている。国際的には、国際協同組合同盟(ICA)でも、1995年に定められた協同組合のアイデンティティに関する声明を、より今日の世界に合わせた形に改定しようという議論がなされつつある。
生協総合研究所では、そうした協同組合原則の改定議論も踏まえつつ、全国の協同組合・生協がIYC2025をどのように迎えるかについて、協同組合の価値を再確認し、これを高め、組合員・役職員がともに考え合うことを広げるきっかけとするため、2024年11月30日に「地域からつむぐ協同組合のアイデンティティと明日」と題し、第33回全国研究集会を開催した。本特集は、この研究集会での講演と実践報告、パネルディスカッションの内容を編集し、収録したものである。
本特集が、様々な角度から、これからの協同組合、生協について考えるきっかけとなれば幸いである。
主な執筆者:中嶋康博、鈴木 岳、杉本貴志、田中夏子、中村夏美、松原 滋、船ヶ澤堅一、國仲義隆、三浦一浩、和田寿昭
目次
- ●巻頭言
- 「2025年の漢字」は「協」にしましょうよ!(中森一朗)
- ●特集 地域からつむぐ協同組合のアイデンティティと明日
- 開会挨拶(中嶋康博)
- 本研究集会の開催趣旨(鈴木 岳)
- 講演①協同組合原則の変遷とアイデンティティ声明改定議論の状況──ロッチデールから今日の協同組合まで──(杉本貴志)
- 講演②足元から出発して社会的生態系を編む拠点としての協同組合等社会的連帯経済── 一番大変なところに駆けつけているか(SDGs)を振り返りつつ──(田中夏子)
- 実践報告①OCoNoMiおおさかの設立と活動について(中村夏美)
- 実践報告②人口減少先進地・飛騨市「地域複合サロン」からみえてきた協同(松原 滋)
- 実践報告③消費者信用生活協同組合(船ヶ澤堅一)
- 実践報告④労働者協同組合で実践する地域づくり(國仲義隆)
- パネルディスカッション(杉本貴志・田中夏子・中村夏美・松原 滋・船ヶ澤堅一・國仲義隆・三浦一浩(司会))
- 閉会挨拶(和田寿昭)
- ●国際協同組合運動史(第35回)
- 1957年第20回ストックホルムICA大会①(鈴木 岳)
- ●本誌特集を読んで(2024・12)
- (久保田修三・齋藤直人)
- ●研究所日誌
- ●公開研究会「生協総研賞・第21回助成事業論文報告会」(3/14)
- ●公開研究会「居住支援と空き家活用──住宅のかたちを考える」(3/26)
- ●生協総研賞第15回表彰事業候補作品推薦のお願い
- ●生協総研賞第15回表彰事業実施要領(抄)
- ●2025年度「生協社会論」受講生募集