刊行物

生活協同組合研究 2024年10月号 Vol.585

店舗を改めて考える

 多方面で八面六臂の活躍をされているジェーン・スーさん、彼女がパーソナリティをしている昼の月~木曜のTBS ラジオ「ジェーン・スー生活は踊る」で、2017年に初めて「スーパー総選挙」の企画が始まった。「あなたにとって最高のスーパーはどのお店ですか?」をテーマに、聴取者から「推し」メッセージを紹介するとともに、投票を募って最終的にスーパーマーケットのランキングを公表するものである。

 この企画は、感染症のため中断された時期もあった。が、回を重ねるごとに反響を呼び、第1回の総得票数は1500票余だったが、2024年8月の第5回では3万7000票を超える投票があった。最近では、メディアでも紹介されるようになってきている。

 放送エリアの偏りが当然反映されるし、自由投票という形態、見方はいろいろあろうが、最新の第5回の最終結果を、参考まで記しておこう(カッコ内は本社・本部の場所)。



 1.ヤオコー(埼玉県川越市)、2.オーケー(神奈川県横浜市)、
 3.スーパーサンベルクス(東京都足立区)、4.ライフ(大阪市淀川区・東京都品川区)、
 5.ロピア(神奈川県川崎市)、6.フレスタ(広島県広島市)、
 7.スーパーマルハチ(兵庫県神戸市)、8.三和(東京都町田市・神奈川県相模原市)、
 9.文化堂(東京都品川区)、10.コモディイイダ(東京都北区)、
 11.ベイシア(群馬県前橋市)、12.マルエツ(東京都豊島区)、
 13.ツルヤ(長野県小諸市)、14.サミットストア(東京都杉並区)、
 15.ベルク(埼玉県鶴ヶ島市)、16.イオン(千葉県千葉市)、
 17.オオゼキ(東京都世田谷区)、18.ビッグ・エー(東京都板橋区)、
 19.業務スーパー(兵庫県加古川市)、20.セイミヤ(茨城県潮来市)。

 今回は、これまで4連覇を果たしていたオーケーをヤオコーが破ったことに、とりわけ注目が集まったようだ。ただ、日本国内では多様な地場スーパーがしのぎを削っている状況を、垣間見れる結果とも映ろう。

 ところで、2018年の第2回総選挙で、「コープ」という名での得票が19位につけたことも、ここで振り返っておきたい。

(鈴木 岳)

主な執筆者:寺本 高、髙橋広行、森本守人、青木 均、加賀美太記、太田高志、鈴木 岳

目次

巻頭言
「宅配/店舗」と「事業/運動」のふたつの位相から考える“つながりのイノベーション”(伊丹謙太郎)
特集 店舗を改めて考える
スーパーマーケットと話題力(寺本 高)
デジタル時代における食品スーパーの存在価値──アプリを主軸とした生協事業の有機的連携──(髙橋広行)
小さくても強いローカルSMに学ぶ店舗事業活性化のヒント(森本守人)
日本におけるセルフサービスの歴史的展開(青木 均)
消費者のくらしの変化と生協の「店」──生協「らしさ」から考える店舗事業の課題と展望──(加賀美太記)
コープやまぐち ここといずみ店でのインタビュー(太田高志(聞き手:鈴木 岳))
国際協同組合運動史(第31回)
1951年第18回コペンハーゲンICA大会(鈴木 岳)
本誌特集を読んで(2024・8)
(今野 聰)
研究所日誌
アジア生協協力基金2025年度・助成金一般公募のご案内
11月30日第33回全国研究集会〈開催予告〉「地域からつむぐ協同組合のアイデンティティと明日」