刊行物

生活協同組合研究 2024年4月号 Vol.579

新型コロナをふまえた食生活の近況

 新型コロナにより、在宅でも孤食はむしろ奨励される状況を経て、もう5年目になった。この食事情の思わぬ変化とともに、これまでデフレ下といわれ長らくは殆ど動きを示さなかった物価が上昇に転じた。国際的にも円安、エネルギー高、買い負け、などと特に日本にとって厳しい状況である。さらに少子高齢化の着実に進むなか、食生活はどのような光景になっているのだろうか。それに対して本号では、直近の諸研究からの着目すべき5つの切り口を示し、読者に供するものである。

 ただこの特集にあたって、大阪いずみ市民生活協同組合が2015年に開設したミュージアムを入り口として、ここを通過していただく設定としてみた。このようにすぐれた生協らしいとりくみも、何かの参考となれば幸いである。

(鈴木 岳)

主な執筆者:寺田 譲、髙橋仁美、鈴木 岳、岩村暢子、山本淳子、八木浩平、海和美咲、木村友美

目次

巻頭言
私たちの食を支える新たな仕組み:食料・農業・農村基本法の改正案から(中嶋康博)
特集 新型コロナをふまえた食生活の近況
コープ・ラボたべる*たいせつミュージアム(寺田 譲・髙橋仁美(聞き手:鈴木 岳))
限界家族と食卓の実態(岩村暢子)
新型コロナと子育て世帯の食生活──2020年と2021年の調査から──(山本淳子)
在宅勤務の進捗と食生活の変化:食環境の視点から(八木浩平)
COVID-19がもたらした食事とデジタルの共生社会(海和美咲)
食を通じた介護予防──孤食と食多様性に関する日タイ比較から──(木村友美)
国際協同組合運動史(第25回)
戦時下における国際協同組合同盟(ICA)②(鈴木 岳)
本誌特集を読んで(2024・2)
(和氣未奈)
研究所日誌
アジア生協協力基金2024年度助成先決定のお知らせ
『生協総研レポート』No.101を刊行しました