刊行物
生活協同組合研究 2023年7月号 Vol.570
防災・減災に向けて 今からできること、すべきことを考える
東日本大震災から12年、阪神・淡路大震災から28年が経過した。そして関東大震災からはちょうど100年の節目を迎える。これまで『生活協同組合研究』では幾度も特集を組んで「防災・減災」について考えてきた。
首都直下地震の発生確率は今後30年に70〜80%、また南海トラフ地震は今後10年以内30%、20年以内60%、30年以内70~80%、40年以内90%の確率で発生すると想定されている。さらには豪雨災害の発生頻度は地球温暖化の影響のためか、従来よりも高まっていると言われている。
ところで天気予報で「明日は70~80%の確率で豪雨」と言われたら不要不急の外出は控え、やむなく外出するとしても万全の備えをするのではなかろうか。それと比べた時に南海トラフ地震、首都直下地震への備えは足りているだろうか。このような状況を鑑みるに、巨大地震や豪雨災害に対する備えとして、今からできること、すべきことはないだろうか?
本特集では災害(対策)研究において著名な3人の識者に提言いただいたうえで、現在の生協の「防災・減災」活動を概観するとともに今後の取り組みのヒントを提示したいと考えた。以下に本特集に掲載した7つの論文とその筆者について簡潔に紹介する。
(西尾 由)
主な執筆者:平田 直、西川 智、松尾一郎、石田有香、前田昌宏、蔦 直宏、こくみん共済coop、玉田太郎、岡本 正
目次
- ●巻頭言
- 「関東大震災から100年」防災・減災の意識と「備え」への取り組みを社会全体で日常の生活に定着させたい(稲村浩史)
- ●特集 防災・減災に向けて 今からできること、すべきことを考える
- 地震災害に備えるための防災教育(平田 直)
- これからの巨大災害にどう備えるか? 個々人のイマジネーションを!(西川 智)
- 災害から命を守る「タイムライン防災」と「コミュニティ防災会議」を拡げよう(松尾一郎)
- 人が集まり地域のつながりを生む防災訓練 ─イザ!カエルキャラバン!─(石田有香)
- 生協における防災・減災の取り組み事例(前田昌宏・蔦 直宏)
- こくみん共済coopにおける防災・減災の取り組みについて(こくみん共済coop)
- 在宅避難を想定したホームサバイバルトライアルの勧め ─各自の家庭に電気・水道・ガスを遮断した状態を作り出し「疑似被災体験」に挑戦する─(玉田太郎)
- 新しい防災教育「被災したあなたを助けるお金とくらしの話」のすすめ(岡本 正)
- ●国際協同組合運動史(第16回)
- 国際協同組合同盟(ICA)1927年第12回ストックホルム大会①(鈴木 岳)
- ●本誌特集を読んで(2023・5)
- (高橋弘幸・香西 幸)
- ●研究所日誌
- ●公開研究会「ワーカーズ・コレクティブの現在地」(7/10)
- ●生協総研賞「第21回助成事業」の応募要領(抄)
- ●第32回全国研究集会(2023年10月28日)開催予告