第26回全国研究集会が開催されました
第26回全国研究集会は「組合員参加と購買行動の相互関係を解明する」と題し、明治大学リバティタワーで開催され、237名の参加を頂いた。
今回の全国研究集会は「組合員の参加と購買行動研究会」の成果をベースにプログラムされ、講演・調査報告・パネルディスカッションで構成された。
冒頭、生源寺眞一理事長(名古屋大学大学院 教授)がチャレンジングで刺激的なテーマと紹介したが、生協領域の研究では日本では始めての分析領域である。また、協同組合にとっては永遠のテーマでもある。データを収集し科学的視点で考察された。
「生協のこれからと組合員の参加」の講演で、研究会座長の上田隆穂氏(学習院大学教授)は消費者と売り手のニーズが一致する点を探求し、消費者は擬似家族をベースに行動し、希望ジェネレータを活動とどう結びつけるかが重要との指摘をしている。「組合員の購買行動と社会的価値」の講演では、氏家清和氏(筑波大学准教授)は公益的活動が生協でも購買行動に影響を与えていることを分析している。
近本聡子研究員の研究会概要とデータの説明のあと、「組合員の参加は生協のロイヤルティ形成に寄与しているか」(中村由香研究員)「類型別に見た組合員参加の効果」(宮﨑達郎研究員)の研究が報告され、活動から排除されがちである人々がいること、若年層の活動参加は大変効果があることなどが実証的に示された。
パネルディスカッションでは、まず「分析報告の結果と生協経営の実態」について、各生協の報告があり、その後「参加と購買を有機的に結び付ける方向性」として、若年層と貧困への対処など論点が提出された。
研究集会の報告は,『生活協同組合研究』2016年12月号に掲載されます。合わせてご覧下さい。
主なプログラム
開会挨拶
生源寺 眞一(生協総合研究所理事長、名古屋大学大学院教授)
「生協における『組合員参加』を考える」
中川 雄一郎(明治大学教授)
講演① 「生協のこれからと組合員の参加」
上田 隆穂(学習院大学教授)
講演② 「組合員の購買行動と社会的価値」
氏家 清和(筑波大学准教授)
「組合員の参加と購買行動研究会について」
近本 聡子(生協総合研究所 研究員)
分析報告① 「組合員の参加は生協のロイヤルティ形成に寄与しているか」
中村 由香(生協総合研究所 研究員)
分析報告② 「類型別に見た組合員参加の効果」
宮﨑 達郎(生協総合研究所 研究員)
パネルディスカッション ①「分析結果は何を意味するのか?」
- 【パネリスト】
- 氏家 清和(筑波大学 教授)
- 西門 正徳(コープこうべ)
- 藤田 親継(コープみらい)
- 二村 睦子(日本生協連)
- 星野 浩美(コープさっぽろ)
- 【司会】
- 近本 聡子
パネルディスカッション ②「これからの組合員参加を考える」
- 【パネリスト】
- 北濱 利弘(三菱食品株式会社)
- 中島 智人(産業能率大学准教授)
- 茂木 伸久(日本生協連)
- 若松 恵子(生活クラブ生協・東京)
- 【司会】
- 上田 隆穂
閉会挨拶
小方 泰(生協総合研究所専務理事)