海外報告
第11回ICA アジア太平洋(AP)地域総会出席とILO,UNICEF視察報告【宮﨑達郎】


★ 現地農業関連協同組合訪問の様子
 (協同組合訪問ツアー)

海外出張の課題と目的

  1. ①ICAアジア調査委員会での研究報告
  2. ②第11回ICAアジア太平洋地域総会参加
  3. ③ILO、UNICEF視察

日 程・訪問地

 2014年9月16日~20日 インドネシア・バリ

報 告

①ICAアジア調査委員会での研究報告の概要(9月16日)


★ 調査委員会の様子

 2014年9月16日に開催されたICA調査委員会にて研究報告を実施した。当委員会には中国、インド、日本、マレーシア、インドネシア、ネパール、ニュージーランド、フィリピン、スリランカの9か国から39名が参加した。自分の報告を邦題に変えるなら、タイトルは「日本という高齢化社会における生協の健康増進への取り組み」となる。最初に高齢化社会とは何かということを概説し、世界統計やWHOの統計を参照し、日本とインドネシアを比較しながらいかに日本の高齢化社会が進展しているかを示した。その後、子育て支援や健康増進の必要性を解説し、実際の日本の医療生協、大学生協、地域生協の活動を紹介した。テーマとして非常に分かりやすいことと、中国も同様に高齢化社会の問題を抱えつつあることから、フロアから多くの質問とコメントを得ることができた。

②ICAアジア太平洋地域総会 (9月16日~20日)


★ 生協委員会の様子


★ 協同組合フォーラムの会場

 調査委員会以外に生協委員会、協同組合フォーラム、総会、現地協同組合訪問ツアーに参加した。生協委員会では日本生協連国際部の天野部長が座長となり、委員会を運営し、宮沢氏が日本の生協の紹介プレゼンテーションを行った。その他、シンガポール、スリランカ、韓国など各国の生協の紹介プレゼンテーションが実施された。協同組合フォーラムでは生協の今後の活動指針を決めていく中で、統計的なデータの収集が欠かせないという議論がされた。協同組合に関してはこうした統計的なデータが明らかに不足しており、今後こうしたデータの収集をどのようにしていくか、現在進行のプロジェクトにはどのようなものがあるかなど、各国の報告者より紹介された。協同組合訪問ツアーでは、ウミガメを育てて海に放流するという環境保護の協同組合と、農村部の農業用の灌漑設備を持つ協同組合を訪問した。後者は特に農村の生活に協同組合が寄与している事例と考えられた。

③ILO、UNICEF視察(9月22日~23日)

 スラバヤに移動し、現地ILOとUNICEFの活動の視察、またそれらの助成対象の活動を視察した。ILOに関連する視察では、LEDという2012年までILOが助成・監督していた組織の視察が印象に残っている。LEDはいわゆる地域住民が集まって自分たちの地域起こしをするような取り組みに従事する協同組合であるが、土産物生産やバイオガスを利用した自家発電設備など非常に高いレベルでの活動を実施していた。LEDの組織員は支援がなくなって大変だということを言っていたが、個人的にはILOは非常に良いタイミングで支援を断ち切ったと思われる。支援は永続的に続けるものではなく、いずれ自立するためにするものである。UNICEFに関連する視察では、孤児院の視察が印象に残っている。女学生のみの孤児院であったが、幼児から大学生程度までの子供が生活していた(通常は高校生程度までだが、大学に行くほど優秀である場合残れるとのこと)。そこで、孤児院で作っている(孤児院前に販売用の屋台がある)麺食を頂いたのだが非常においしかった。