常設研究会 ― 家庭用エネルギーの料金制度に関わる新たな政策制度研究会 第1回報告 ―
- ○ 開催日時
- 2015年4月17日(金) 13:00~17:45
- ○ 開催会場
- プラザエフ5階 会議室
- ○ 参 加 者
- 19名 (委員9名、オブザーバー6名、事務局4名)
テーマ
- 基調講演① 報告者:
- 竹中康治(日本大学経済学部教授)
- テーマ:
- 「電力・ガスの完全自由化」
- 基調講演② 報告者:
- 古城誠(上智大学法学部特別契約教授)
- テーマ:
- 「電力ガス自由化と検討過程」
各委員からの報告
概要
- 日本生協連担当からの冒頭報告(政策企画部小熊)
消費者の立場から行政関与の在り方を調査研究する本研究会の主旨と、これまでの経過。 - 基調講演①「電力・ガスの完全自由化」(日本大学経済学部教授竹中委員)
- (1)従来の競争阻害要因は、石油価格の上昇、既存事業者の参入阻止的料金引き下げ。
- (2)規制緩和により競争環境整備のための新たな規制が必要となる。
- (3)需要家保護対策は、供給義務を誰が負うかという問題。
- 基調講演②「電力ガス自由化と検討過程」(上智大学法学部特別契約教授古城委員)
- (1)電力システム改革の目的は、電力料金の抑制と安定供給の強化。
- (2)競争参入に対する障壁の排除として、系統の中立化と分離が図られた。
- (3)消費者保護のために、経過的料金規制やユニバーサルサービスが導入される。
- (4)予備設備やネットワークなどの建設のインセンティブが今後の課題となる。
- (5)自由化で期待される成果は、競争による効率性の改善、総合エネルギー産業化。
■ 主に以下のような意見交換が行われた。
- 電力・ガスの自由化・規制緩和が消費者利益に直結するわけではない。競争の公正性確保と消費者保護の観点から、行政の関与・新たな規制が必要となる。
- 経済産業省が提示している電力システム改革案について、広域的運営推進機関と電力取引監視等委員会を消費者側から監視していく必要がある。
- 自由化の実効性は、ネットワークの整備と中立性・公正さの確保により担保される。
- 今後原発が再稼働された場合、供給される安価な電力は市場に開放されることが決定した。これは新電力参入の追い風だといえる。
- LPガス業界は透明性が低く、問題が多い。事業参入による対抗力獲得が有効な戦略となる。
- 再生可能エネルギー活用については、地産地消が基本となる。
- 政策提言づくりの参考のために、海外の先進諸国、特にイギリスの情報収集が必要。
- 本研究会からのアウトプットは、報告書の作成にとどめず、広く組合員に伝えるツールを作成する。