研究活動
常設研究会 ― 社会的連帯経済研究会 第17回報告 ―
- ○ 開催日時
- 2025年3月3日(月)15:00~18:08
- ○ 開催会場
- 主婦会館プラザエフ5階会議室(オンライン併用開催)
- ○ 参 加 者
- 11名 (委員7名、オブザーバー3名、事務局1名)
テーマ・概要
前半、先回の振り返りで幡谷則子氏から「コロンビアの辺境における領域概念」をもとに、近代国家が認める国境内の領土とは異なり、辺境にすむ人々が求める自律的領域やそこで認識される人と空間との関係性として述べられる領域性が社会運動に取り入れられてきたことが説明された。そして元来はケチュア語であるスペイン語・ブエンビビールの日本語訳としては「善く生きる」ということ、など質疑がなされた。
主題は、石塚秀雄氏から「エクアドル憲法における「自然の権利」と社会的連帯経済」という論題であった。2008年に施行されたエクアドルの新憲法から、自然と環境の尊重が紹介された後、所有の形式として、公有、私有、共同体的所有、国有、アソシエーション的所有、協同組合的所有、混合型所有という多様な種類が認められていることが概説された。さらには、西洋的な自然の哲学的位置づけとして代表的な哲学者の思想が紹介され、その意義と私的権利を基本とする西欧的限界が語られた。多様な所有概念を踏まえた上で、社会的連帯経済を経済社会の不可欠な要素とするための法的修正が必要ということ、この刺激的な大模様の報告について、参加者全員から意見交換がなされた。
次回開催は、2025年5月12日(月)、北島健一氏が話題提供をすることとなった。