研究活動

常設研究会 ― 社会的連帯経済研究会 第16回報告 ―

○ 開催日時
2025年1月7日(火)15:00~18:07
○ 開催会場
主婦会館プラザエフ5階会議室(オンライン併用開催)
○ 参 加 者
10名(委員7名、オブザーバー2名、事務局1名)

テーマ・概要

 前半、先回の振り返りで労働参加型生協の法的形態に3つありうること(協同組合、アソシアシオン、簡易株式会社SAS)、リヨンでもSAS「ラ・メルティング・コープ」がカフェを含むより緩い形態で店舗を運営していることが鈴木岳委員から述べられ、質疑となった。

 本題は幡谷則子氏から「コロンビアにおける領域(territory)概念―社会運動の目的と表象に関する1990年代以降の変化から」という論題の内容が展開された。「領域性」という概念がラテンアメリカにおける社会運動、特に集合的土地権利を求める運動で「テリトリー」とともに広く使われるようになったこと、「辺境」が中央権力から排除搾取されることで人為的に形成されたことが提示された。さらに、諸先行研究の整理がなされ、現代の開発と暴力にさらされながらも再領域化を企てようとする社会運動・連帯経済運動が、抵抗からレジリエンスの運動に変貌しつつあることが語られた。質疑では、旧宗主国と政府、資本と市場に二重に抑圧される状況の人々について、多岐にわたる部族や言語と領域についてなど、幅広い議論となった。

 次回開催は、2025年3月3日(月)、石塚秀雄氏が話題提供をすることとなった。