研究活動
常設研究会 ― 生協共済研究会(第20期) 第3回報告 ―
- ○ 開催日時
- 2025年12月8日(月) 15:00~17:30
- ○ 開催会場
- プラザエフ5階 会議室(オンライン併用)
- ○ 参 加 者
- 43名 (委員12名、オブザーバー19名、事務局・講師12名)
テーマ
- 研究報告「長寿リスクの経済的保障と生活設計」
報告者:根本篤司氏(九州産業大学商学部 専任講師) - 団体報告「生協のライフプランニング活動の原点と現在地」
報告者:堀口幸子氏(コープ共済連 組合員参加推進部)
渡士美樹氏/渡部博文氏(コープ共済連ライフプランニング活動推進グループ)
清田裕理氏/北尾良枝氏(東都生協 共同購入部 保障グループ)
概要
研究報告「長寿リスクの経済的保障と生活設計」
九州産業大学商学部 専任講師の根本委員より、長寿リスクの経済問題、長寿リスクと経済的保障の課題、長寿リスクの生活設計フレームワークと共済事業について研究報告をしました。
「長寿リスク」について、死亡率の低下にともなう平均寿命の延伸によって、高齢期の生活費、医療・介護費用等の支出が所得および貯蓄を上回り資金不足となる状況と定義し、先進国に共通する問題であるが「終身年金パズル」という言葉があるように保険的な対応が難しいと説明しました。
そのうえで退職後の生活不安に対処するためには、平均寿命の見通しを立てて退職後に必要な資金水準を適切に予測すること、生活保障設計や金融資産の形成・管理をライフステージの早期から長期的に展望し実践すること、すなわちファイナンシャル・プランニングが肝要であるとしました。
ファイナンシャル・プランニングの具体例としては、雇用延長、年金含めた貯蓄による資金準備等であると述べました。しかし、個人が合理的な行動をできないリスクがあることから、行動ファイナンシャルプラニングによる助言が必要であろうと共済事業者に示唆を提示しました。
団体報告「生協のライフプランニング活動の原点と現在地」
コープ共済連組合員参加推進部ライフプランニング活動推進グループおよび東都生協共同購入部保障グループより、「生協のライフプランニング活動の原点と現在地」と題して、生協のライフプランニング活動の歴史と現在の状況について発表いただきました。
コープ共済連ライフプランニング活動推進グループの渡部氏からは『生活協同組合研究』への寄稿「コープ共済のライフプランニング活動の原点」の概要として1994年以降の活動の振り返りをし、渡士GMからは現在のコープ共済連と全国の生協によるライフプランニング活動の状況について、具体的な取り組みとして「ライフプランニング活動推進会議」「ライフプランニング活動交流集会」「くらしの見直し講演会」「新社会人向け学生のための身近なお金のセミナー」を実施しており、LPAの人数が合計5千名を超えていることを説明しました。
続いて東都生協の清田氏、北尾氏から組合員向けに実施している「ライフプラン学習会」「ライフプラン講演会」等の具体的な取り組みについて報告いただきました。
最後にコープ共済連 組合員参加推進部の堀口部長より、ライフプランニング活動の今後の方針として、活動しやすい環境づくりを図っていくこと、学生向けの取り組みを発展させていくこと等について説明がありました。
報告を受けた生協共済研究会の委員より活発な質問とそれへの応答が行われました。
