研究活動
常設研究会 ― 生協共済研究会(第20期) 第2回報告 ―
- ○ 開催日時
- 2025年9月8日(月)15:00~17:30
- ○ 開催会場
- プラザエフ5階 会議室(オンライン併用)
- ○ 参 加 者
- 38名 (委員13名、オブザーバー18名、事務局・講師7名)
テーマ
- 研究報告「日本における共済の存在理由と可能性」
報告者:宮地朋果氏(拓殖大学商学部 教授) - 研究報告「保険・共済におけるジェンダーギャップの動向」
報告者:岡田太氏(日本大学商学部 教授) - 団体報告「こくみん共済coopの2025年度事業計画」
報告者:佐々木祐介氏(こくみん共済coop経営企画部 室長)
概要
1. 研究報告「日本における共済の存在理由と可能性」
拓殖大学商学部教授の宮地朋果委員は、共済の定義・理念を「相互扶助」「たすけあい」と整理したのち、その非営利性をベースとして社会的連帯を実現していると存在理由を述べた。制度的特徴としては生損兼営を実施している組織があること、剰余金が加入者に還元される仕組みとなっていることを挙げた。保険は株式会社と相互会社があり多様な側面があること、また共済についても出発点における理念の違いはあったが、近年ではサービスが重なり境界線が曖昧になっている状況も含めて、規制・税制・監督の整合性を求めるイコールフッティングも取りざたされていることに触れ、共済の理念的独自性を制度的にどう担保するかにおいて共済の存在理由が問われているとした。共済の強みは「排除しない仕組み」「非営利の公共性」にあるとし、これを維持・強化して新たな社会的リスクに対応することが求められるとまとめた。
2.研究報告「保険・共済におけるジェンダーギャップの動向」
日本大学商学部教授の岡田太委員は、ジェンダーギャップについて日本と世界の状況を概観したうえで、欧州EUにおいては保険料率設計における男女格差が2012年より禁止されていることについて、その背景となっているEU憲章とEU指令、そして2012年のEU司法裁判所の裁定にあることを説明した。
質疑応答では、男女別の保険料率設計が認められている日本や米国の生命保険や医療保険においては、危険率の差が大きい高齢層で1対0.6の差になる旨が示された。
3.団体報告「こくみん共済coopの2025年度事業計画」
こくみん共済coop経営企画部の佐々木祐介室長は、こくみん共済coopの2025年度事業計画の概要について説明された。