研究活動
常設研究会 ― 生協共済研究会(第20期) 第1回報告 ―
- ○ 開催日時
- 2025年5月12日(月)15:00~17:30
- ○ 開催会場
- プラザエフ5階 会議室(オンライン併用)
- ○ 参 加 者
- 32名(委員10名、オブザーバー13名、事務局・講師9名)
テーマ
- 団体報告「『生協のくらしの困りごとヒント集 介護編』発行とその背景」
報告者:小林 誠部氏/五十嵐 雄悟氏(コープ共済連 共済開発統括部) - 研究報告「シングル介護の経済的脆弱性に関する分析」
報告者:谷口 豊氏(早稲田大学商学学術院 非常勤講師)
概要
1.団体報告「『生協のくらしの困りごとヒント集 介護編』発行とその背景」
コープ共済連 共済開発統括部の小林誠部長と五十嵐雄悟氏より報告を受けた。
コープ共済連が本年3月に新しく発行した『生協のくらしの困りごとヒント集 介護編』について作成を担当した五十嵐氏より発行の経緯や掲載内容の概要について報告を受けた。コープ共済連では2030年ビジョンにおいて掲げた商品開発課題のうち若者向けについて2020年代前半で実施し、後半においてシニア向けの商品開発を検討している。共済加入者にWEBアンケートを実施したが24時間で1000件の回答が寄せられた。内容は「介護の相談と備え」「介護サービスの利用」「介護とコミュニケーション」「介護サービスの基礎知識」という構成で、「生協ならでは」の内容として介護を経験した組合員からのアドバイスを盛り込まれている。
質疑応答において、シニア向けの商品開発の検討状況について質問が出され、既存商品の改善・拡充を考えている旨が述べられた。また感想として、介護経験を持つ組合員からのアドバイスが盛り込まれている点が生協らしくて素晴らしい旨が述べられた。
2.研究報告「シングル介護の経済的脆弱性に関する分析」
早稲田大学商学学術院 非常勤講師の谷口氏より「背景・動機・貢献」「先行研究」について触れたうえで、本研究ではシングル介護者の将来の経済状態を図る指標として、各種統計に基づき、老後貯蓄残高をシミュレーションすることによって、シングル介護者が介護離職をした場合に経済的な破綻を招く蓋然性が高いことを導き出した研究成果を説明した。
質疑応答において、基本シナリオに用いる条件設定として当初貯蓄額には中央値が妥当、60歳~64歳の就業率が高くなっていることや兄弟姉妹の存在を考慮すべき等の意見が述べられた。