研究活動
常設研究会 ― 生協共済研究会(第19期) 第4回報告 ―
- ○ 開催日時
- 2025年3月10日(月)15:00~17:30
- ○ 開催会場
- プラザエフ5階 会議室(オンライン併用)
- ○ 参 加 者
- 29名(委員8名、オブザーバー13名、事務局・講師8名)
テーマ
- 研究報告「災害時のリーガル・ニーズについて」
報告者: 千々松愛子氏(鎌倉女子大学 家政学部 准教授) - 研究報告「大規模自然災害における保険金・共済金の調整について」
報告者:黒田佳祐氏(沖縄国際大学 法学部 講師)
概要
1.研究報告「災害時のリーガル・ニーズについて」
鎌倉女子大学 家政学部 准教授の千々松愛子委員が「災害時のリーガル・ニーズについて」の報告をした。
報告の概要として、自然災害が頻発化、激甚化するなど自然災害リスクが高まっていることをふまえ、被災者を支援する各種制度の体系的整理の必要性を感じたことをきっかけとして、災害に関連する法律の類型を整理したうえで、災害発生時の法的問題と様々なリーガル・ニーズについて報告した。
質疑応答においては、リーガルニーズとして例示された被災建物の公費解体について災害特例として簡便対応すべきではないか、被災者の二重ローンについて金融機関が信用保険の応用による処理を検討すべきではないかという意見も述べられた。
2.研究報告「大規模自然災害における保険金・共済金の調整について」
沖縄国際大学 法学部 講師の黒田佳祐氏が「大規模自然災害における保険金・共済金の調整について」報告をした。
地震保障の概要と削減払い規定、削減払い規定に関する諸問題について、地震保険とJA共済の建物更生共済およびこくみん共済co-opの自然災害共済を比較した研究成果を説明した。
報告後の質疑応答において、地震保険には政府再保険があるが二つの共済制度にはないことについて「平等性・公平性」の観点から見解が述べられたことを中心に活発な議論が行われた。当該議論において述べられた意見として、地震保険と二つの共済制度では加入対象者が異なっているため制度間の平等性を問うことが必ずしも適切とは考えられない旨が述べられた。