研究活動
常設研究会 ― 生協共済研究会(第18期) 第4回報告 ―
- ○ 開催日時
- 2024年3月11日(月)15:00~17:30
- ○ 開催会場
- プラザエフ5階 会議室(オンライン併用)
- ○ 参 加 者
- 39名(委員11名、オブザーバー20名、事務局・講師8名)
テーマ
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研究報告「低所得世帯における日々の生活費、将来に対する不安感、およびリスクへの備えに関する分析」
報告者:大塚 忠義 氏(早稲田大学 商学学術院 大学院会計研究科 教授) -
研究報告「日本における介護保険パズルの解明に係る考察」
報告者:谷口 豊 氏(早稲田大学商学学術院 非常勤講師) -
委員各位による報告「現在の研究テーマとその概要について」
報告者:生協共済研究会委員(各5分程度)
概要
1. 研究報告「低所得世帯における日々の生活費、将来に対する不安感、およびリスクへの備えに関する分析」
早稲田大学 商学学術院 大学院会計研究科 教授の大塚委員より、全労済協会からの受託を受けて実施した調査に基づく「低所得世帯における日々の生活費、将来に対する不安感、およびリスクへの備えに関する分析」について報告がされた。調査研究の目的は低所得の保険・共済未加入世帯が生活リスクに脆弱にもかかわらず準備を行っていない要因を特定することであった。調査分析の結果、不安感が少ない人はリスクを過小評価し、家族等の周囲の人に相談しておらず、保険・共済に加入ていない傾向が確認されたとの結論が得られた。
さらには低所得世帯にとって、保険と共済は別種のものと認識されていることが確認された。加入理由として「営業職員や代理店・保険のお店・保険会社の人が親身になって説明してくれたので」が生命保険では最大の26%、共済は3番目の11%であったのに対し、「保険料が安かったので」は共済で最大の30%、生命保険は2番目の21%であったこと等について報告された。
2. 研究報告「日本における介護保険パズルの解明に係る考察」
早稲田大学商学学術院 非常勤講師の谷口氏からは「日本における介護保険パズルの解明に係る考察」について報告された。研究の動機は、介護不安が大きいのに介護保険による私的準備割合は低いのは何故かを解明することであった。調査分析の結果、私的介護保険については介護発生年齢(80歳)ではなく退職年齢(60歳)を想定した加入行動となっているために保障額が必要額よりも少なくなっていることが報告された。今後に向けた提言として、「介護保障は不健康な状態になった後にかかる介護費用に関する不安に対応するものであり、介護に必要な金額をしっかり準備する啓蒙を行うことにより介護保険パズルは緩和」されるのではないかと示唆した
3. 委員各位による報告「現在の研究テーマとその概要について」
各委員が「現在の研究テーマとその概要」について報告した。