研究活動
常設研究会 ― 生協共済研究会(第18期) 第3回報告 ―
- ○ 開催日時
- 2023年12月11日(月)15:00~17:30
- ○ 開催会場
- プラザエフ5階 会議室(オンライン併用)
- ○ 参 加 者
- 37名(委員10名、オブザーバー17名、事務局・講師10名)
テーマ
- 研究報告「災害補償に関する制度には“たすけあい”の精神がどのように内包されているのか? ~国会の議事録や海外の制度から~」
報告者:吉田 朗 氏(早稲田大学大学院 社会科学総合学術院 助手) - 研究報告「火災保険における水災補償需要」
報告者:根本 篤司 氏(九州産業大学 商学部 講師) - 団体報告「こくみん共済coopの防災・減災活動について」
報告者:酒井 健 氏(こくみん共済coop ブランド戦略部 次長)
概要
1. 研究報告「災害補償に関する制度には“たすけあい”の精神がどのように内包されているのか?
~国会の議事録や海外の制度から~」
早稲田大学大学院 社会科学総合学術院 助手の吉田朗氏より「災害補償に関する制度には「たすけあい」の精神がどのように内包されているのか?」について考察した内容の報告があった。具体的には「地震保険に関する法律」「農業保険法(かつての農業災害補償法)」「全米洪水保険制度」を取り上げて、国会の議事録や米国の制度の内容を紐解いた。結論として、法律では「たすけあい」という言葉を直接用いてはいないが、制度設計をよく見ると「たすけあい」の精神が内包されていると結論付けたうえで、自身の見解として「たすけあい」といっても共倒れがあってはならないため、その限度を意識づけることが大切であると述べた。
2. 研究報告「火災保険における水災補償需要」
九州産業大学 商学部 講師の根本篤司氏からは「火災保険における水災補償需要」と題して、水災リスクとその経済的補償、水災補償と損害保険経営について詳しく説明したうえで、水災補償をめぐる保険需要に関する分析結果とそれに関する考察を述べた。
水災補償の需要の関する分析結果としては、公共事業等による治水が進むと需要が減少し、保険料の多寡はあまり影響しないこと、最近の水害経験があると需要が増すことが考察された。
3. 団体報告「こくみん共済coopの防災・減災活動について」
こくみん共済coop ブランド戦略部 次長の酒井健氏からは。こくみん共済co-opの防災・減災の活動について報告いただいた。
具体的には防災イベント「ぼうさいカフェ」、よみきかせ会、防災かるた、防災クイズ、「エコ住宅専用住まいる共済」の加入に応じた環境保全、防災・減災活動に対する寄付等が取り組まれている。また2021年3月より「これからの防災・減災プロジェクト」として、役職員による防災士資格の取得、もしもプロジェクト渋谷(もしもFES、小学校での避難所お泊り体験、まもりシュラン等)、デジタル展開(お住まいの地盤診断サービス、防災リーダー診断)等を実施している旨が報告された。