常設研究会 ― 生協共済研究会(第17期) 第3回報告 ―
- ○ 開催日時
- 2022年12月19日(月)15:00~17:40
- ○ 開催会場
- プラザエフ5階 会議室(オンライン併用)
- ○ 参 加 者
- 43名(委員10名、オブザーバー24名、事務局9名)
テーマ
- 研究報告「共済と保険の相違」
米山高生 委員 - 情報提供「ICMIF100周年記念大会参加報告」
(1)阿部慎平 氏(こくみん共済coop<全労済> 人財アカデミー事務局)
(2)青西なお 氏(コープ共済連 渉外・広報部)
(3)崔 桓碩 委員
概要
<研究会の主な内容>
1.研究報告「共済と保険の相違」 米山高生委員
米山委員から近著『生活に活かす保険と共済』の内容をベースに「共済と保険の相違」をテーマに報告いただいた。はじめに「共済」は相互扶助やたすけあいと同義であること、協同組合法によって設立された協同組合が共済商品を提供しているが、英語表記について日本の共済団体は独自の発展・特徴がありCooperative Insuranceでは説明を尽くせないためKyosaiと表記することも一案である一方で、組織論的には協同組合保険であり、他国の協同組合保険と共通点を明らかにした上で違いを説明すべきであると述べた。
つぎに共済と保険との違いに関する学説史をひもとき、笠原説、水島説、佐波・園説、印南説をふりかえったうえで、理念論(運動論)とガバナンス論を超える必要があり、自身は機能論的アプローチを採用しているとし、保険と共済は近代保険商品の特徴として前払確定保険料方式に基づいて事業運営されているという点においては原則同じであると述べた。
そのうえで内部補助に着目し、提供するサービスの機能面から民間の提供する保険と変わらない商品を「協同組合保険」、内部補助を容認する商品を「協同組合共済」と分類して、日本の共済団体には協同組合保険を提供する団体と協同組合共済を提供する団体、その両方を提供する団体が存在すると整理した。
最後に社会における共済の役割は市場の行き届かない部分に存在する保障ニーズに対して多様な商品を提供すること、保険が行き届かないような地域に保険が提供できないような保障を提供して保険を補完することであり、共済は保障の多様性をもたらすことによって社会の強靭性(レジリエンス)を高める可能性をもつ存在であると述べた。
2.ICMIF100周年記念大会参加報告
2022年10月にイタリア・ローマにて開催されたICMIF100周年大会に参加した崔桓碩委員、こくみん共済coop<全労済>阿部慎平氏、コープ共済連 青西なお氏から参加報告いただいた。
3.事務局連絡
・事務局より第4回研究会の日程を報告して、閉会とした。