常設研究会 ― 生協共済研究会(第16期) 第3回報告 ―
- ○ 開催日時
- 2021年10月18日(月)15:00~17:20
- ○ 開催会場
- プラザエフ5階会議室(オンライン)
- ○ 参 加 者
- 36名(報告者2名、委員10名、オブザーバー17名、事務局7名)
テーマ
- ①報告者:三羽克洋(こくみん共済 coop 共済開発部)
テーマ:「こくみん共済 coop 各共済事業における「リスク区分」等の考え方」 - ②報告者:大谷光一(大学生協共済連役員室長)
テーマ:「大学生協学生生活実態調査・共済給付・コロナ禍の学生生活の変化」
概要
1.報告「こくみん共済 coop 各共済事業における「リスク区分」等の考え方」
- 三羽克洋氏より報告の背景として共済に関する「リスク区分」の緩やかさ、掛金面での「たすけあい」内部補助の許容性について論議があることが説明された。次に、報告の主旨として「火災共済・自然災害共済の全国一律掛金やこくみん共済の世代内一律掛金が代表例だが、一方で、自動車総合補償共済や個人長期生命共済のように過去から、より細分化された掛金をもつ制度も存在している。これらが、どのように捉えられてきたのかを掛金面を中心に沿革を概観し制度設計の考え方や背景を探る。」ことが話された。
- 続いて各事業規約(火災共済・自然災害共済、団体生命共済、総合(慶弔)共済、交通災害共済、個人長期生命共済・終身生命共済、こくみん共済、自動車総合補償共済、年金共済)について、概要・沿革・制度設計の背景が報告された。また、制度設計の背景として「一律掛金の主旨(全国の仲間のたすけあい、全国で同一の制度であるべきとの意識、地域集団の共通の保障要求に応える)」、「一律掛金ではない制度(リスクに応じた掛金設定)」「労働者の助け合い運動である労働者共済運動の目的に照らした目的に照らした各事業の実施」の3点が報告された。
- 米山高生委員より「逆選択を生じないリスク区分が保険市場的には最も効率的といわれている」「共済においてリスク区分を一律にしていくことは逆選択・非効率性を生むがそこに共済のレゾンデートルがある」「リスク区分を一律にすることは市場の規律が強く及ぶ商品(自動車総合補償共済等)とおよばない商品(総合慶弔共済当)によって変わって来る」「低額な保障・掛金の商品では保険会社は必要なコストを賄えないが協同組合共済では運営でき市場規律が及びにくい」等がコメントされた。
2.報告「大学生協学生生活実態調査・共済給付・コロナ禍の学生生活の変化」
- 大谷光一氏より「学生生活実態調査と学生アンケートの実施」「アンケートから見えてきた3つの危機、①暮らしの危機:アルバイト収入は厳しい状況が続く、②学びの危機:対面講義が切実に求められている、③コミュニティの危機:つながりの喪失、社会体験の喪失、自分の喪失」「大学生協による友達づくりの機会作り、全国大学生サミットの開催」「学生総合共済の給付実績の動向(けが・交通事故の減少、こころの早期対応保障の増加)」等について報告がされた。
- 質疑では「学生総合共済への入・健康相談・心の健康相談の利用は大学生協のない大学でも可能か」「大学独自のアンケートでも2年生の満足度の低さは共通しているが、就職活動について学生のコメントや変化はあるのか」「給付実績を踏まえた学生へのアドバイス活動の内容」等について質問が出された。
3.事務局報告
- 1月17日に開催する公開研究会「生協共済の未来へのチャレンジ」、12/1~3にかけてソウルで開催される第33回ICA世界協同組合大会等について報告を行った。