研究活動

常設研究会 ― 生協共済研究会(第14期) 第5回報告 ―

○ 開催日時
2019年12月16日(月)15:00~17:40
○ 開催会場
プラザエフ5階 会議室
○ 参加者
31名(委員9名、報告者1名、オブザーバー15、事務局6名)
テーマ
  1. ①報告者:和田武広氏(賀川豊彦記念松沢資料館嘱託講師)
    テーマ:「共済事業の源流をたずねて-協同組合保険運動と農協法『共済規程』」
  2. ②その他報告
概要

1.報告「共済事業の源流をたずねて-協同組合保険運動と農協法『共済規程』」

(1)和田武広氏は、2014年「農協改革」に伴う「農協批判」のなかで、「今こそ賀川の理念と実践に学ぶべき」と考え、賀川豊彦と協同組合保険に関する個人研究を始めた。その研究成果として本年『共済事業の源流をたずねて』(緑蔭書房)を刊行した。今回の研究会では、同書の中から、農協法の「共済規定」の成立経過と農協共済誕生から全国展開へのあゆみを中心に報告がされた。

  1. ①賀川豊彦と協同組合保険(共済)
  2. ②戦前の主な農業団体

     産業組合の特徴と事業(信用、販売、購買、利用)及び反産運動、農会法の制定、農会と産組の関係。戦時統制と農業会の発足、農業団体法の成立、家畜保険組合と農業保険組合。

  3. ③戦前の協同組合保険運動

     産組による協同組合保険運動、共栄火災の設立。

  4. ④戦後の協同組合保険運動

     協同組合保険法制化運動頓挫、次善の策としての日本生命との提携と地方からの反発。

  5. ⑤農協法の成立と「共済規定」

     GHQとの調整に手間取り第8次案まで検討し成立した農協法の特徴、農業団体整理法による農業会の解散。

  6. ⑥農協共済の誕生

     農協法に位置付けられた共済規定、北海道共済連設立と設立早々の解散危機。

  7. ⑦全共連創設と全国展開
  8. ⑧「JA共済の源流論」考

(2)報告後の質疑

 質疑では「戦後の北海道で構想された健康増進施設とはどのようなものか」「購買組合ではなく消費組合といういい方への社会主義運動の影響は何か」「戦前の官業共済組合と戦後の単産共済との関係はどのようなものか」等の質問が出され和田氏から回答がされた。

2.その他報告

「生協共済研究会「2019年度活動のまとめ、2020年度活動計画(案)」、公開研究会「人生100年時代の老後資金と資産運用」、「『生協共済の未来へのチャレンジ(仮)』の構成と執筆分担案」について事務局より報告を行った。