研究活動

常設研究会 ― 生協共済研究会(第14期) 第4回報告 ―

○ 開催日時
2019年10月21日(月)15:00~17:30
○ 開催会場
プラザエフ5階 会議室
○ 参加者
32名(委員8名、報告者1名、オブザーバー18、事務局5名)
テーマ
  1. ①報告者:神戸孝氏(FPアソシエイツ&コンサルティング)
    テーマ:「『人生100年時代』に求められる金融商品・アドバイスとは ~独立系FPによる私的考察」
  2. ②その他報告
概要

1.報告「『人生100年時代』に求められる金融商品・アドバイスとは~独立系FPによる私的考察~」

(1)神戸孝氏より次の4点について報告がされた。

  1. ①なぜ資産形成・資産運用が重要なのか

    ・「失われた20年」がもたらした一人当たりGDPの低下と公的債務の増加、生活者サイドに起こった変化としての長寿化の進展・ライフスタイルの多様化・将来の収入が見えづらい状況、生活者に求められる金融リテラシー等について説明がされた。

  2. ②金融行政の方向性

    ・金融事業者における顧客本位の業務運営の徹底が金融庁より提起された背景、「人生100年時代」における金融サービスのあり方として「高齢社会における資産の形成・管理での心構え」「高齢社会における金融サービスの在り方」が説明された。

  3. ③金融リテール・ビジネスに求められるもの

    ・個人金融資産の分布状況、ライフステージと保有金融資産規模に応じた対応策の考え方、独立系FPが行うアドバイスの手順について説明がされた。

  4. ④資産運用の考え方

    ・金融資産の分別(生活資金、ゆとり資金、残す資金)の必要性、「趣味としての投資」ではなくリスクをコントロールし継続的に投資する「仕事としての運用」を行う必要性、「投資観」を持ち長期分散投資・積立て型投資を行う必要性について説明がされた。

(2)報告後の質疑

質疑では「学校や職場などで必要な金融リテラシー教育の内容」「金融ジェロントロジー(老年学)について金融機関での取り入れる内容」「金融機関の信頼性が低いが問題点は何か」「資産形成において保険や共済商品の活用はどの様なことが考えられるか」等の質問や意見が出され議論が行われた。

2.その他報告

  • ・岡田座長より今回の研究会より米山高生氏(東京経済大学経営学部教授)、谷川孝美氏(日本大学商学部講師)が新委員として参加されることが報告された。
  • ・『生協共済の未来へのチャレンジ(仮)』の発行企画に関する編集会議での検討結果、日本保険学会全国大会での『生協総研レポート』No90「生協共済研究会の2016-2018年度の活動」をテーマとしたポスター発表、「生協の共済を取り巻く事業環境」を特集した『生活協同組合研究』2019年11月号の刊行、年金や老後資金をテーマとした公開研究会の開催企画について事務局より報告を行った。