常設研究会 ― 生協共済研究会(第14期) 第3回報告 ―
- ○ 開催日時
- 2019年8月26日(月)15:00~17:30
- ○ 開催会場
- プラザエフ5階 会議室
- ○ 参加者
- 47名 (委員6名、報告者1名、オブザーバー32、事務局8名)
テーマ
- ①報告者:押尾直志(明治大学名誉教授)
テーマ:「共済規制と協同組合共済」 - ②事務局報告
概要
1.報告「共済規制と協同組合共済」
(1)押尾直志氏より主に次の3点について報告がされた。
- ①共済事業を取り巻く環境変化
戦前・戦後から繰り返される共済規制政策・共済規制論、外圧を背景とした1990年代以降の金融保険制度改革による規制緩和、2010年代の規制改革推進会議・農林ワーキンググループによる農協改革、2005年保険業法改定を受けての各種協同組合法の抜本改定、1980年代以降の社会保障の後退と地域生命共済などの共済の新たな発展等について説明がされた。 - ②保険事業と共済事業
保険事業の事業主体(保険資本)と共済事業の事業主体(人的組織である協同組合等)、保険関係(保険者と保険契約者は別々の主体)と共済関係(組合員・共済者・共済契約者の三位一体の関係)の本質的相違、共済の形態(企業内共済、協同組合保険、労働組合共済、非営利・協同自治組織の共済等)について説明がされた。 - ③協同組合共済の課題と展望
拮抗力としての協同組合共済(新潟地震の際の見舞金支払い、約款の平明化、保険料の引き下げ、相互会社の社員総代会の改善)、協同組合共済の独自性の発揮(協同組合共済の実績は人の組織の強み、学習・教育・啓発活動の重要性、地域社会への貢献、生存権を守る運動)について説明がされた。
(2)報告後の質疑
「共済の理想と現状との乖離や保険と共済の同質化をどのよう考えるべきか」「近年の消費者保護の流れの中で保険法・保険業法が改正されたという側面もあるのではないか」等の質問や意見が出され議論が行われた。
2.事務局からのその他報告
恩藏委員のAOA会員訪問団参加、『生協総研レポート』No.90の刊行、全労済協会「勤労者の生活意識と協同組合に関する調査報告書<2018年版>」の刊行、2019年度 全労済協会シンポジウム、コープ共済連「地域ささえあい助成 2018年度活動報告集」の刊行等について事務局より報告を行った。