常設研究会 ― 生協共済研究会(第13期) 第6回報告 ―
- ○ 開催日時
- 2019年2月18日(月) 15:00~17:50
- ○ 開催会場
- プラザエフ5階 会議室
- ○ 参加者
- 39名(委員8名、報告者1名、オブザーバー26名、事務局4名)
テーマ
- 報告者①:
- 松岡博司(ニッセイ基礎研究所 主任研究員)
- テーマ:
- 「主要国の生保相互会社の動向-高齢化、低金利、規制変更、デジタル化の中の生保相互会社」
- 報告者②:
- 恩藏三穂(高千穂大学、研究会委員)、根本篤司(九州産業大学、研究会委員)
- テーマ:
- 「2018年AOAセミナーに参加して」
概要
1.研究報告「主要国の生保相互会社の動向」
- 松岡博司氏より主に次の3点について報告がされた。
- ①相互会社の形態に関する定義、相互会社の存在意義(実費主義に基づく安い費用での保険の提供)、定款作成・基金の募集・創立総会といった相互会社設立のプロセス等について説明がされた。
- ②相互会社の歴史として、1762年のエクイタブル生命の特許状に基づく設立、1872年のゴータ生命の設立、日本の最初の相互会社として矢野恒太氏らの尽力による1902年の第一生命の設立について説明がされた。また、戦後の多くの保険会社での相互会社への転換、相互会社運営への批判や運営のあり方についての論議、大きく変わった相互会社のあり方(自己資本の必要性が認められ内部留保等が充実、社員配当の弾力化、基金の調達手段の弾力化)、相互会社から株式会社への転換、相互会社におけるガバナンス強化の取り組み等について説明がされた。
- ③相互会社の現状として、フランス・英国・米国・ドイツなどの相互会社の規模と世界的に見て巨大な日本の相互会社の規模、欧米での相互会社の株式会社化が一段落したこと、中国における相互保険組織の発足、デジタル技術の進歩の相互会社への影響について説明がされた。
- 報告の後の質疑では「日本と海外の相互会社のガバナンスの違いやカバナンスを評価する基準はあるのか」「総代の選出基準等はどのようになっているのか」等の質問が出された。松岡氏からは「日本は指導が厳しいこともあり海外に比較しガバナンスが整備されている」「海外では総代の立候補制は聞かないが総会を開催する例は多く郵送による議案への賛否確認がされるケースもある。日本では総代の立候補制は明治安田生命が一部導入している」との回答がされた。
2.報告「2018年AOAセミナーに参加して」
- 2018年12月6日~7日に「デジタル革新と協同組合/相互扶助の保険組織の戦略」をテーマに香港で開催された20018年度AOAセミナーの参加報告が恩藏委員、根本委員よりされた。
- 報告ではアジアにおけるインシュアテックの動向、デジタル技術が共済・保険事業に及ぼす影響、各団体における業務やビジネスモデルの革新、ヤングリーダーの育成等について説明がされた。
3.事務局報告
- 事務局より生協共済研究会「2018年度活動のまとめ、2019年度活動計画」、2月1日に福岡市で開催した公開研究会「人生100年時代のライフプランニング」の開催結果、生協共済研究会専用ウエブサイトの新設について報告した。また、小野健太郎委員の退任について報告した。