研究活動

常設研究会 ― 生協共済研究会(第11期) 第4回報告 ―

○ 開催日時
2016年10月17日(月)15:00~17:30
○ 開催会場
プラザエフ5階 会議室
○ 参加者
21名(委員7名、オブザーバー7名、事務局7名)
テーマ
報告者:
小林 正春(全国労働組合総連合会共済会 専務理事)
テーマ:
「労働組合共済 ―特に全労連共済の組織と事業」
報告者:
橋本 光陽(全国保険医団体連合会 事務局次長)
テーマ:
「全国保険医団体連合会の共済事業と保険業法への対応」
概要

1.報告①「労働組合共済 ―特に全労連共済の組織と事業」

① 全労連共済は、1987年7月に設立された全国労働組合共済会と、1990年10月に設立された全国労働組合共済連合会のそれぞれの共済事業を引き継いで、2010年2月に発足した。8つの民間単産共済会と全国47都道府県の地方共済会で構成される「共済事業部会」と、医労連共済会や自治労連共済会など7つの単産共済会で構成する「分担金管理部会」の2つの部会で構成されている。

② 労働組合の共済事業の意義としては、①民間生保や他の共済と比べ掛金などでメリットのある内容で組合員の生活とくらしを守っていること、②組合員どうしの助け合いを通じて、団結や活動の活性化を生み、組合活動を前進させていく力となっていること、③共済の手数料等が、組織と財政の強化に大きく貢献していること、が挙げられる。

③ 労働組合法では、労働組合が労働者の「経済的地位の向上」を図ることを目的とし、共済事業を行うことを当然のことと定めている。共済事業は、経済闘争とともに、労働組合の要求実現のもう一つの柱といえる。

④ 最近では、各労組の大会でも共済に関する発言が出されたり、共済推進の学習会を開催したり、共済を労働組合活動に位置づけて取り組んでいる組合が増えてきている。今後は、ぜひ労働組合の共済に関する研究活動も取り組んでいきたい。

2.報告②「全国保険医団体連合会(保団連)の共済事業と保険業法への対応」

① 保団連は、開業医師・歯科医師と勤務医による団体で、加入者は10.5万人。共済制度としては、保険医年金制度(生保との団体契約にとる年金制度)と保険医休業保障共済制度がある。

② 2005年の保険業法改正でこれまでの共済事業の継続が困難となり、何らかの対応が必要となった。2011年の保険業法改正を受けて、保団連は、一般社団法人の全国保険医休業保障共済会を設立し、認可特定保険業者となって、休業保障制度を引き継いだ。

③ 今後の課題としては、2011年の改正法では認可特定保険業は「当分の間」(法施行後5年)の運用としているが、その見直しで制度廃止や保障範囲の制限などが行われないか、注視していく必要がある。

④ 2005年の保険業法改正は、本来は無認可共済規制が目的であったはずだが、その実効性はどうなのか、また非営利・自主共済への規制の在り方は適切なのか、など見直す時期に来ているのではないか。