常設研究会 ― 協同組合法制度研究会 第28回報告 ―
- ○ 開催日時
- 2017年7月31日(月) 17:00~19:00
- ○ 開催会場
- プラザエフ5階 会議室
- ○ 参加者
- 13名(委員2名、オブザーバー10名、事務局1名)
テーマ
- 報 告:
- 明田 作 氏(農林中金総合研究所 客員研究員)
- テーマ:
- 「協同組合法制度の調和化-その動向と日本への示唆」
概要
明田作氏(農林中金総合研究所 客員研究員)より、協同組合法制度の調和化について、報告をいただき、質疑・意見交換を行った。
報告の詳細
1980年代以降の経済のグローバリズムの進行は、協同組合法にも大きな影響を与えている。ヨーロッパ、ラテン・アメリカ、西アフリカなどでは、協同組合法の統一化や調和化を図る動きが進んでいる。その背景、特徴を紹介し、日本の協同組合法制度への示唆を考察する。
I.協同組合法の展開の歴史的外観、II.協同組合法の統一化・調和化の動き、III.わが国への示唆
19世紀中頃から協同組合法の整備が始まったが、当初は株式会社との違いを意識していた。1970年代頃からは株式会社に近づける流れが出てきた。今は、①株式会社化と、②協同組合理念に即した立法化の動きがある。
統一化・調和化の背景としては、①経済のグローバリゼーション、②監督行政上の必要性、③経済統合、④経済体制の移行などがある。
日本においては、統一化・調和化ありきではなく、まず現行法のどこが障害かを明らかにすることが重要。
議論
会社法との違いで、「所有(利用)と経営の分離」「組合員によるガバナンス」などについて、活発に意見が出された。
栗本委員から、SGECOL(ヨーロッパ協同組合法研究会、欧州諸国の協同組合法学者グループ)が検討しているPECOL(ヨーロッパ協同組合法の原則)の紹介があった。PECOLの目的は、欧州法または国内法と並行して存在する現代的な協同組合法の原則を作成すること、または個人および団体によって直接適用される一連の原則を作成すること。
配布資料
報告レジュメ「国際会計基準の検討状況について」
- 報告レジュメ「協同組合法制度の調和化(ハーモナイゼション)」
- 討議メモ 「PECOL(2015年5月)について」 栗本 昭
- ①「協同組合法制度をめぐって」(『生協総研レポート』№70、明田 作)
- ②「最近の協同組合法立法の世界的動向とわが国への示唆」(『農林金融』2014.11、明田 作)
その他
次回第29回研究会は
日時:2017年9月25日(月)午後5時~7時