研究活動

公益財団法人生協総合研究所 2025年度第3回公開研究会
証言による戦時下と敗戦後のくらし
~協同組合の先達に聴く~

○ 開催日時
2025年8月27日(水) 14:00~17:00
○ 開催会場
来場・オンライン配信併用
○ 参 加 者
87名(来場13名、オンライン74名)
※ オンデマンド配信視聴申込は84名 総計171名

プログラムと報告者(敬称略)

証言①
岩垂 弘 (平和・協同ジャーナリスト基金代表運営委員、元朝日新聞記者)
証言②
丸山茂樹 (社会的連帯経済を推進する会)
証言③
下山 保 (パルシステム連合会初代理事長)

概要

 生協にゆかりの深い大先輩の3氏から、戦時下と敗戦後のくらしについてお話を伺う機会として企画したものである。

岩垂 弘 氏
岩垂 弘 氏

 岩垂弘氏(90歳)は、長野県・岡谷で空襲は避けられたが食事情が当地といえど厳しかったこと、さらに原爆投下の事実を日本人が知らされなかったこと、原水禁運動の始まりと課題などが語られた。



丸山茂樹 氏
丸山茂樹 氏

 丸山茂樹氏(88歳)は大阪府から広島県・大崎大島へ疎開し、さらに戦後鹿児島県へ移住したこと、南瓜やさつま芋で空腹を凌いだこと、敗戦と朝鮮戦争でたびたび世間の空気が一変したこと、世代のわずかな違いでも感じ方が異なる経験などを、戦中戦後で習った歌謡の実唱を含めお話をされた。





下山 保 氏
下山 保 氏

 下山保氏(87歳)は、満州甘南開拓団として家族と入植、敗戦後は匪賊や国民軍、とりわけソ連軍の略奪と残虐ぶりを目の当たりにする。壊血病に罹病し奇跡的に回復、1年後にチチハル、長春、錦州と厳しい道程を経て帰国船で佐世保に到着、DDTを浴びトイレもままならぬ引き揚げ列車で山形県・楯岡へ戻ったことが述べられた。


 意見交換では、来場参加の齋藤嘉璋氏(89歳)から、新潟県・佐渡での幼少期の体験や食糧事情のお話も伺った。