公益財団法人生協総合研究所 2022年度第1回公開研究会
(第3期)生協論レビュー研究会から~協同組合と社会構想~
- ○ 開催日時
- 2022年4月25日(月)14:00~16:35
- ○ 開催形態
- Zoomミーティングによるオンライン開催
- ○ 会場
- プラザエフ5階会議室
- ○ 参加者
- 54名
プログラムと報告者
- 報告①
- 石澤香哉子 氏(一般財団法人地域開発研究所 研究員)
「労働者協同組合法法制化運動の流れと論点の整理」 - 報告②
- 香西 幸 氏(明治大学大学院商学研究科博士後期課程退学)
「ワーカーズ・コレクティブにおける『コミュニティワーク』概念の形成過程」 - 報告③
- 久保ゆりえ 氏(明治大学商学部 助教)
「生協は介護保険制度の創設をどう認識していたか─制度づくりへの参加に着目して─」
趣旨説明・座長 原山浩介(日本大学法学部 教授)
概要
本公開研究会では日本大学教授の原山浩介座長の進行のもと、2022年2月に刊行された『生協総研レポート』No.96「(第3期)生協論レビュー研究会<下>」のなかから、3つの論考について著者から報告をいただいた。
第1報告では地域開発研究所研究員の石澤香哉子さんから今年10月に施行される「労働者協同組合法」の法制化運動について、1980年を起点としてその経過をたどっていただいた。
第2報告では明治大学大学院に所属されていた香西幸さんから、同じく1980年代に遡ることができるワーカーズ・コレクティブをめぐり、主に1990年代の神奈川における原則改定の議論に焦点を当て、「コミュニティワーク」をめぐる議論を紹介いただいた。
第3報告では明治大学助教の久保ゆりえさんに、介護保険制度の創設期に、特に生活協同組合のなかでどのような議論がなされたのか、その議論の内容や意義について検討いただいた。
各報告によって、高齢化時代を迎えるなかで、その強弱はありながらも「介護」という課題が前景化し、コミュニティや労働というテーマが協同組合運動のなかで主題化されていった1980年代から90年代にかけての時代状況が明らかになった。参加者からも多くの質問がなされ、質疑の中でそれぞれの論点が補強されるとともに、現代と当時の共通しているテーマやこの間の生じた変化などが浮き彫りにされた。