公益財団法人生協総合研究所 2018年度第3回公開研究会
生協は若年層にどう向き合うか
- ○ 開催日時
- 2018年11月22日(木)14:00~17:00
- ○ 開催会場
- キャンパスプラザ京都 2階ホール
- ○ 後援
- くらしと協同の研究所
- ○ 参加者
- 89名
プログラムと報告者
- 報告①
- 「分断社会を生きる若者たち」
吉川 徹(大阪大学大学院人間科学研究科 教授) - 報告②
- 「20代・30代を主対象とした生協の認知度等に関する調査報告」
宮﨑達郎(生協総合研究所 研究員)
概要
組合員の高齢化が顕著となる中で、若年層に注目した本研究会であるが、地域生協の関心も高く、89名の参加となった。
大阪大学の吉川教授には、大規模社会調査(SSP調査)をもとに、若年層の意識や経済的状況、家族形成状況等についてご講演頂いた。この講演では、特に大卒か非大卒であるかという区分で学歴に注目し、学歴が意識や経済的状況、家族形成状況に与えている影響を紹介して頂いた。学歴は日本においては非常に変更しづらい要素であり、目を背けられがちであったが、強く生活に影響していることが示された。
宮﨑研究員は、2017年・2018年にインターネット調査会社を利用して行った生協の認知度や利用に関する調査等から、20代・30代の若年層が持つ「ねがい」と現在の生協が提供している事業や活動の関係性について分析した。近年は特に、「価格」や「利便性」といった実利的な要素が重視される傾向があり、その背景には若年層の経済的な不安や日常生活における余裕のなさがあることを示した。
今後は、生協は若年層に対して具体的にどのようなアプローチをすることができるかという実用的な方向に研究が発展することが望まれる。