公益財団法人生協総合研究所 2017年度第7回公開研究会
英国とフランスの協同の思想と実践 ~ホリヨークとゴダンの生誕200年を記念して~
- ○ 開催日時
- 2017年12月9日(土)13:00~16:00
- ○ 開催会場
- コープ御所南ビル4F会議室
- ○ 共催
- くらしと協同の研究所
- ○ 後援
- ロバアト・オウエン協会
- ○ 参加者
- 23名
プログラムと報告者
- 報告①
- 「G.J.ホリヨーク」
杉本貴志(関西大学 教授) - 報告②
- 「J.-B.A.ゴダン」
鈴木 岳(生協総合研究所 研究員)
概要
本年2017年は、『ロッチデールの先駆者たち』の著者であり、国際的にも協同組合指導者として広く知られている英国人ジョージ・ジェイコブ・ホリヨーク(1817-1906)と、工場と協同住宅を軸とする2000人規模の「ファミリステール・ド・ギュイーズ」を開設し、後に工場を労働者協同組合化したフランス人ジャン=バティスト・アンドレ・ゴダン(1817-88)のどちらも生誕200年にあたります。この時期に彼らの足跡と思考をたどり、「協同」を改めて考える企画としました。
初めに、くらしと協同の研究所事務局長・高木英孝氏から開会挨拶がされました。次いで報告①で、杉本氏はホリヨークの思想的背景ともなる教育者の顔や宗教批判、骨相学への興味などを紹介しました。『ロッチデールの先駆者たち』が日本語版を含む多くの言語で翻訳されて影響を与えたこと、さらに19世紀後半に大きな論争となったいわゆる利潤分配論争を現在の生協の労働のあり方を踏まえつつ解説しました。報告②では、鈴木研究員がゴダンの生涯をたどりつつ、優れた技術者としての顔の背景にある政治や税制、反教権の思考を整理しました。そして協同住宅ファミリステールの建築と教育の実践、労働者協同組合への移行過程と階層について、さらに外部の人々からの多様な評価を取り上げ、ギュイーズで「産業遺産」として公開されている近況も紹介しました。質疑応答の後、生協総研専務・小方泰の閉会挨拶で終了しました。