公益財団法人生協総合研究所 2016年度第3回公開研究会
地域ささえあいをどう形成するか ~CO・OP 共済地域ささえあい助成の団体にフォーカスして~
- ○ 開催日時
- 2016年11月24日(木) 10:30~15:00
- ○ 開催会場
- プラザエフ5階会議室
- ○ 参加者
- 54名
プログラムと報告者
- 講演
- 求められる地域共生社会づくりの活動とは
上野谷 加代子(同志社大学 教授)
- 事例報告
- ① たまり場「ちよさんの家」の取り組み
佐藤 安太郎(庄内医療生活協同組合) - ② 過疎市町村における介護予防事業の立ち上げ
相内 俊一(特定非営利活動法人 ソーシャルビジネス推進センター) - ③フードバンクを利用した家計支援・生活相談支援
徳山 篤(認定NPO法人 とちぎボランティアネットワーク)
- 団体交流・ワークショップ
概要
11月24日は、東京で54年ぶりに11月の降雪が観測された悪天候の中、多くの参加者にお集まりいただきました。
講演をしていただいた上野谷加代子氏は、地域ささえあい助成の審査委員長、地域福祉学会の会長をされています。地域活動も豊富に体験されているので、説得力のある理論と実践の橋渡しができる研究者であり、生協への関心をもっておられます。
講演「求められる地域共生社会づくりの活動とは」では、生協は「お金あるゆうて、いばったらあかん」、先生という立場の人は“先生”をおりるべきである等、豊富な経験に基づくパンチの利いた表現で、地域のささえあい参加のフラット性を提言されました。市民参加のあり方については、参加のレベルを4つに分け、分かりやすく提言をしていただきました。
そして、多様な連携を模索する地域の人々にとって、生協は「まずどこに相談すれば実現できるか分かりにくい」組織であるということ。また助成は、種を蒔き土台を作るためのものなので5年以上は必要ないとの意見をいただきました。ささえあいの体制づくりには、むしろ生協側に課題が多いのではないかとのご意見です。
事例報告は、数年継続して助成を受けている3組織からのものでしたが、それぞれの組織で状況は大きく異なるようです。
出色であったのは、北海道のソーシャルビジネス推進センターのビジネスモデルで、国の制度をうまく利用し、市町村との関係もWinWinとなっています。地域ささえあいの成功例として、今後の可能性を期待させる事例でした。
ワークショップでは5~6人を1グループに6つのグループに別れ、各団体の活動報告についての意見交換を行いました。時間不足だったものの、参加者の経験交流としては貴重な時間になったと思われます。
講演や事例報告の内容は異なりますが、12月8日(木)に大阪でも同じテーマで公開研究会を開催します。どうぞご期待下さい。